专利摘要:
本発明は、各対の第1のDNA分子の遠位領域および第2のDNA分子の近位領域が配列同一性の領域を共有する、インビトロで関心対象の2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子を連結する方法に関する。本方法は制限酵素を使わずに、所定の順序および方向で、多数のDNA断片の連結を可能にする。これは、例えば、関心対象の遺伝子またはゲノムの合成的に作製された部分断片を連結するために用いることができる。この方法を実施するためのキットも開示される。DNA分子を連結する方法は、例えば、コドン最適化、遺伝子最適化および経路最適化を通じて最適なタンパク質発現をもたらすのに有用なコンビナトリアルライブラリを作製するために用いることができる。
公开号:JP2011512140A
申请号:JP2010546942
申请日:2009-02-13
公开日:2011-04-21
发明作者:ダニエル;ジー. ギブソン;ハミルトン;オー. スミス;サード;クライド;エー. ハッチソン;ジェイ.;クレイグ ベンター;レイ ヤング
申请人:シンセティック ジェノミクス インコーポレーテッド;
IPC主号:C12N15-09
专利说明:

[0001] 関連出願の相互参照
本出願は、2008年2月15日付で出願された米国特許出願第61/029,312号; 2008年2月15日付で出願された米国特許出願第61/064,107号; 2008年5月12日付で出願された米国特許出願第61/052,614号; 2008年9月18日付で出願された米国特許出願第61/098,202号; および2008年12月31日付で出願された米国特許出願第61/142,101号の恩典を主張する。これらの出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。]
[0002] 技術分野
本発明は、重複している末端配列を有する複数の核酸分子の効率的な一段階アセンブリを可能にする一本鎖および/または二本鎖核酸分子のインビトロでの連結のための方法に関する。発明の方法は、連結される核酸配列、例えば、コドン用法の変種をもたらす核酸配列、制御配列、遺伝子、経路、染色体、染色体外核酸およびゲノムの特性を改変するために核酸配列変種の断片の系統的な組み合わせアセンブリを達成するうえで特に有用である。]
背景技術

[0003] Gibson, D. G., et al., 「Complete chemical synthesis, assembly, and cloning of a Mycoplasma genitalium genome」 Science (2008) 319:1215-1220(非特許文献1)に記述されているように、M.ゲニタリウム(M. genitalium)ゲノムの部分をアセンブルするために二段階の熱サイクル器に基づく方法が用いられている。Li, M. Z., et al., Nature Meth. (2007) 4:251-256(非特許文献2)によって別の手法が記述されている。PCT公開WO2006/021944(特許文献1)にはT7 5'エキソヌクレアーゼおよび一本鎖DNA結合タンパク質を利用する一段階のアセンブリ方法が開示されている。本発明は、インビトロでのDNA分子のアセンブリを容易にする一段階の手順について開示する。これらの方法では、3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く非耐熱性5'エキソヌクレアーゼまたはdNTPの存在下において機能的である3'エキソヌクレアーゼのいずれかを利用する。]
[0004] これらの新たな方法は、系統的な組み合わせアセンブリをもたらして核酸分子を改変する本発明のさらなる局面において特に有用である。高速大量処理スクリーニングで用いる化合物のアセンブリのための組み合わせ法は、もう十分に確立されている。さらに、コード配列が無作為に断片化され再アニールされる遺伝子シャッフリング法も長年にわたり実践されている。例えばキメラ遺伝子断片のライブラリを作製するためのプロトコルがMeyer, M., et al, 「Combinatorial Recombination of Gene Fragments to Construct a Library of Chimeras」 Current Protocols in Protein Science (2006) 26.2.1-26.2.17(非特許文献3); McKee, A. E., et al.,JBEIabstract(非特許文献4)に記述されている。しかし、最適化された核酸配列を提供するのに、所望の特性に応じて選択可能な、例えばコード配列または代謝経路の最適化によって、組み合わせ法に対する、無作為な再編成またはシャッフリングに依らない系統的な取り組みが必要である。本発明は、関心対象の種々の核酸をアセンブルするための系統的な組み合わせ法を提供することでこの要求を満たす。]
[0005] さまざまな成分を完全なまたは最小のゲノムにアセンブルするための技法が確立されている。例えば、2007年11月15日付で公開された米国特許出願公開第2000/0264688号(特許文献2)は、ゲノムの部分を含むカセットを作製およびアセンブルすることによって合成ゲノムを構築する方法について記述している。2007年1月4日付で公開された米国特許出願公開第2007/004041号(特許文献3)には核酸をアセンブルするための段階的な階層化法が開示されている。しかしながら、所望の核酸分子をアセンブルするために系統的にこれらの技法を用いることの示唆はされていない。]
[0006] ゲノムの構築には、天然に存在する成分の全てを含める必要はないことが理解されよう。PCT公開WO2007/047148号(特許文献4)は、タンパク質をコードする101種もの遺伝子が取り除かれても、生存性を保ち続けることが可能な、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)に基づく最小ゲノムについて記述している。多数の代替的な最小ゲノムの形成を可能にするコンビナトリアルライブラリとして最小ゲノムの成分を系統的にアセンブルすることは示唆されていない。]
[0007] 本発明は、このように、高速大量処理の様式で関心対象の核酸アセンブリを提供およびスクリーニングするために核酸分子の効率的および大々的な改変を可能とした、ならびにロボットによる実装に容易に適応可能な、系統的方法およびその産物に関する。代替的な態様において、アセンブリ反応は、(Huang, Y., et al., Lab Chip (2007) 7:24-26(非特許文献5)に示されているような)微小流体制御技術を用い反応管中とは反対の固体表面上で、例えば、チップ上で行うことができる。]
[0008] 変種コード配列、発現系、経路合成および最も小さいまたはより大きいゲノムを代表する核酸の系統的な組み合わせアセンブリのための技法では、少なくとも部分的にインビトロでのアセンブリ法を利用する。任意の適当なインビトロでのアセンブリ法を利用することができる; しかしながら、本発明の方法は、当技術分野において既述のものに関する改善を含む。]
[0009] PCT公開WO2006/021944
米国特許出願公開第2000/0264688号
米国特許出願公開第2007/004041号
PCT公開WO2007/047148号]
先行技術

[0010] Gibson, D. G., et al., 「Complete chemical synthesis, assembly, and cloning of a Mycoplasma genitalium genome」 Science (2008) 319:1215-1220
Li, M. Z., et al., Nature Meth. (2007) 4:251-256
Meyer, M., et al, 「Combinatorial Recombination of Gene Fragments to Construct a Library of Chimeras」 Current Protocols in Protein Science (2006) 26.2.1-26.2.17
McKee, A. E., et al.,JBEIabstract
Huang, Y., et al., Lab Chip (2007) 7:24-26]
[0011] 発明の開示
第1の局面において、本発明は、2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss)DNA分子のセットを連結するインビトロでの方法を提供する。連結される隣接DNA分子は、それらの末端に重複配列を含む。2つまたはそれ以上のDNA分子を、一段階反応で第1のアセンブルされたdsDNA分子を形成させるよう2つまたはそれ以上のDNA分子を連結するために有効な条件の下で、(a) 3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く単離された非耐熱性5'→3'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤(crowding agent)、(c) 3'エキソヌクレアーゼ活性を有する単離された耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼ、または該DNAポリメラーゼと、3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く第2のDNAポリメラーゼとの混合物、(d) 単離された耐熱性リガーゼ、(e) dNTPの混合物、および(f) 適当な緩衝液を有する単一の容器中にて、インビトロで接触させる。]
[0012] いくつかの態様において、(a)のエキソヌクレアーゼはT5エキソヌクレアーゼでありかつ接触は等温条件下であり、および/または(b)の密集剤はPEGであり、および/または(c)の非鎖置換DNAポリメラーゼはPhusion(商標) DNAポリメラーゼもしくはVENT(登録商標) DNAポリメラーゼであり、および/または(d)のリガーゼはTaqリガーゼである。]
[0013] いくつかの態様において、前記の条件は、連結反応後の、任意の対になっていない、非相同性の、一本鎖DNAを消化するのにも適している。連結されるDNA分子の少なくとも一部は、一端に、関心対象のDNA分子のいずれかに非相同性である配列を含む。任意で、非相同配列は、PCRプライマーのための1つもしくは複数の結合領域、および/またはベクター配列と相同性の領域、および/または関心対象のDNA分子内には存在していない1つもしくは複数の制限酵素、例えば希有切断の制限酵素に対する認識部位を含んでもよい。]
[0014] 前記の方法は第1のアセンブルされた分子に加えて第2のアセンブルされたDNA分子を得るために2つまたはそれ以上のDNA分子の第2のセットを別のセットに連結させるように利用することができ、第3のアセンブルされたdsDNA分子を得るために第1および第2のアセンブルされたDNA分子を連結させることができる。この工程を必要に応じ逐次的に繰り返して、関心対象の核酸配列全体を得ることができる。]
[0015] 本発明はまた、適切な量で、(a) 3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く単離された非耐熱性5'→3'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤、(c) 3'エキソヌクレアーゼ活性を有する単離された耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼ、または該DNAポリメラーゼと、3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く第2のDNAポリメラーゼとの混合物、および(d) 単離された耐熱性リガーゼを含む、上記の方法を行うためのキットも提供する。例えば、このキットはT5エキソヌクレアーゼ、PEG、Phusion(商標) DNAポリメラーゼ、およびTaqリガーゼを含むことができる。]
[0016] 第2の局面において、本発明は、連結される隣接DNA分子がそれらの末端に重複配列を含む、2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子のセットを連結するインビトロでの代替方法に関する。本方法は2つまたはそれ以上のDNA分子を、一段階の熱サイクル反応で第1のアセンブルされたdsDNA分子を形成させるよう2つまたはそれ以上のDNA分子を連結するために有効な条件の下で、(a) dNTPの存在下において活性な単離された非耐熱性3'→5'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤、(c) 単離された、熱で活性化されるDNAポリメラーゼ、(d) 単離された耐熱性リガーゼ、(e) dNTPの混合物、および(f) 適当な緩衝液を有する単一の容器中にて、インビトロで接触させる段階を含む。]
[0017] この局面の1つの態様において、(a)のエキソヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼIIIであり、および/または(c)のポリメラーゼは熱感受性の様式でポリメラーゼと結合している不活性化部分の除去によって熱活性化され; および/または(b)の密集剤はPEGであり、および/または(d)のリガーゼはTaqリガーゼである。(c)のDNAポリメラーゼはAMPLITAQ GOLD(登録商標)であってよい。]
[0018] この方法を、第1のアセンブルされたセットと組み合わせ可能なDNA分子の第2のアセンブルされたセットを得るために利用することもできる。熱サイクルされる一段階の方法および上述の等温の方法の任意の組み合わせを、DNA分子のさまざまなセットのアセンブリのために用いることができ、その2つのいずれかを、アセンブルされたセットからのより大きなDNA分子の引き続くアセンブリのために用いることができる。]
[0019] 上記の方法のための成分をキットとして提供することができ、これは、単一の容器中に、(a) dNTPの存在下において活性な単離された非耐熱性3'→5'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤、(c) 単離された、熱で活性化されるDNAポリメラーゼ、(d) 単離された耐熱性リガーゼ、(e) dNTPの混合物、および(f) 適当な緩衝液を、2つまたはそれ以上のDNA分子が、適当な緩衝溶液およびdNTPの存在下においてキットに加えられて、熱サイクル条件の下でインキュベートされる場合に、2つまたはそれ以上のDNA分子が協奏反応でアセンブルされるような量で、含む。この局面の1つの態様において、キットは、(a) エキソヌクレアーゼIII、(b) PEG、(c)AMPLITAQ GOLD(登録商標) DNAポリメラーゼ、および(d) Taqリガーゼを含む。]
[0020] 第1および第2の局面の開示される方法において有用な材料の任意の組み合わせを、開示される方法のいずれかを行うためのキットとして一緒に包装することができる。例えば、キットは、ssDNA分子(例えば、オリゴヌクレオチド)またはdsDNA分子をアセンブルするために必要な試薬の全てを含有する混合物を含むことができる。]
[0021] 第3の局面において、本発明は、核酸分子全体の特性を改変する方法を提供する。本方法は、(a) 核酸分子全体の核酸配列をその長さにしたがって多数の部分に提示的に分割し、それによって部分的な核酸分子の配列を特定する段階; (b) 該部分的な核酸分子の少なくとも3つに対し、各部分的な核酸分子の多数の変種を提供する段階; (c)変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに該変種をインビトロで組み合わせ的にアセンブルする段階であって、 部分的な核酸分子またはその変種がそれらの末端に重複配列を含み、それによって混合物中での部分的な核酸分子およびその変種のアセンブリが核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらす、段階; ならびに(d) 核酸分子全体の変種を発現させて該核酸分子全体の該変種の任意の改変された特性について判定する段階を含む。]
[0022] 段階(c)のアセンブルする段階は上述の方法のいずれかによって行うことができるが、代替的な連結方法を用いることもできる。例えば、多段階のインビトロでの方法を用いることができ、またはPCT出願PCT/US2008/079109に記述されているものなどの、インビボでの方法を用いることができる。インビトロでのアセンブリ方法がオリゴヌクレオチドには一般により好都合であるが、インビボでのアセンブリ方法も実行可能な代替法である。]
[0023] 利用できるアセンブリ方法の一つは、核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらすように変種および変えられていない部分的な核酸分子を連結するために有効な条件の下で、(a) 変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに変種を、非プロセッシブ(non-processive)5'エキソヌクレアーゼと接触させる段階; および(b)核酸アニーリングを加速する一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)と接触させる段階; および(c) 非鎖置換DNAポリメラーゼと接触させる段階; および(d)リガーゼと接触させる段階を含む。]
[0024] この局面は、1つの態様において、本発明のインビトロでの方法を用いて有利にアセンブルできる少なくとも5つの部分に核酸分子全体の核酸配列を分割することを含む。他の態様において、部分的な核酸分子の変種は、部分的な核酸分子によってコードされる1つまたは複数のアミノ酸に対するコドンの縮重形態を提供する。あるいは、部分的な核酸分子の変種は、核酸分子全体の転写または翻訳に影響を及ぼす多数の核酸制御配列を提供する。別の代替案として、部分的な核酸分子の変種は、核酸分子全体によってコードされるペプチドまたはタンパク質のドメインまたはモチーフをコードする多数の領域を提供する。別の代替案として、部分的な核酸分子によってコードされるペプチドまたはタンパク質は、代謝経路において一緒に機能する。]
[0025] 上記のさまざまな組換え手法は、例えば、ミトコンドリア(動物)、ならびに葉緑体および色素体(植物)中などのような、細胞質オルガネラ中で、プラスミド、ベクター、遺伝子、代謝経路、最小ゲノム、部分的ゲノム、ゲノム、染色体、染色体外核酸のような、任意の所望のアセンブリを構築するために用いることができる。大きなDNA分子のアセンブリの場合、最終段階はインビボで行うことができ、この場合には酵母が好ましい宿主である。アセンブリ段階のインビトロでの実施とインビボでの実施のバランスは、アセンブルされるDNA分子の性質に関しての方法の実用性によって判定される。]
[0026] 本発明はさらに、上述の方法によって得られたDNA分子のライブラリ、および改変されたDNA分子全体を使用する方法を含む。2種またはそれ以上の変種、しかし典型的には20種、100種、1000種またはそれ以上のような、複数の変種を含むライブラリを、所望の産物の高い産生レベル、産物の機能性の増強、または機能性の低減(それが有利なら)のような、所望の特徴を有する成員を求めてスクリーニングすることができる。そのようなスクリーニングは、ロボットによっても/自動化されてもよい高速大量処理の方法で行うことができる。]
[0027] 本発明はさらに、本発明の方法によって作製された産物、例えば、結果として得られたアセンブルされた合成遺伝子またはゲノムおよび改変され最適化された遺伝子およびゲノム、ならびにそれらの使用および産物も含む。]
[0028] 本発明の組換え方法には、例えば、医薬、バイオ燃料、動物用品、農薬、増殖因子など、すなわち、細胞培養物中でまたはトランスジェニック動物もしくは植物中でアセンブルされうる任意の分子を含む、有用な産物の合成のための経路のデザインを可能にする、多種多様の用途がある。簡単な例として、大腸菌(E. coli)の酢酸経路を適合させて、エタノール、ブタノールなどのようなバイオ燃料を産生することができる。ポリケチドのような、二次代謝産物のための合成経路の酵素を、本発明の方法を用いて最適化することもできる。このように、本発明の系統的な組み合わせ手順から生じるDNA分子を多種多様の状況で利用して、有用な産物を産生することができる。]
図面の簡単な説明

[0029] 図1Aは、T4ポリメラーゼを用いた二段階の熱サイクルによるインビトロでのアセンブリの概略図である。図1Bは、図1Aに示した方法を用いて、5% PEG-8000の存在下(+)または非存在下(-)において行われた、240〜360 bpの重複配列を有する、各5.3kb〜6.5 kbの、8つの核酸断片のアセンブリの結果を示す。図1Cは、図1Aに示した方法を用いた、PEG-8000の存在下における、40 bpの重複配列を有する、各5 kbの、4つの核酸断片のアセンブリの結果を示す。図1Dは、マイコプラズマ・ゲニタリウム2分の1ゲノム(310 kb)の、257 bpの重複配列を有する、2つの4分の1ゲノム断片144 kbおよび166 kbからのアセンブリの結果を示す。図1Eは、完全な合成マイコプラズマ・ゲニタリウムゲノムの、80〜257 bpの重複配列を有する各およそ150 kbの、4つの4分の1ゲノム断片からのアセンブリの結果を示す。
図2Aは、修復アセンブリ反応の成功について分析するために用いた戦略の概略図である。dsDNAはホルムアミド(+F)の存在下においてssDNAに変性され、ssDNAは修復が行われたならより高い分子量を持ちインタクトなままである。図2Bは、図1Aに示した方法を用いてアセンブルされた産物を分析するために用いた図2Aの方法の結果を示す。
修復されたアセンブリ産物だけが増幅されることを示す、4つのDNA断片を連結した修復アセンブリ産物のローリングサークル増幅(RCA)の結果を示す。
図4Aは、エキソヌクレアーゼIIIを用いた一段階の熱サイクルによるインビトロでのアセンブリの概略図である。図4Bは、図4Aに示した方法を用いた、300 bpまたは40 bpのいずれかの重複配列を有する各およそ5 kbの、4つの異なる核酸断片の2つのアセンブリの結果を示す。図4Cは、図2Aに示されるように、アセンブリ産物の修復について分析した結果を示す。
図5Aは、T5エキソヌクレアーゼを用いた一段階の等温によるインビトロでのアセンブリの概略図である。図5Bは、図5Aに示した方法を用いた、およびNot I制限酵素配列を組み入れた、およそ450 bpの重複配列を有する、4,024 bpおよび2,901 bpの2つの核酸断片のアセンブリの結果を示す。図5Cは、図5Bに示した産物のNot I消化の結果を示す。図5Dは、図5Aに示した方法を用いた、40 bpの重複配列を有する、およそ8 kbのベクター配列と合わせての、各およそ5 kbの、3つの核酸断片のアセンブリの結果を示す。図5Eは、図5Dに示したアセンブリ産物で形質転換された大腸菌から精製され、ベクターからアセンブルされた断片を放出するためにNot Iで消化されたDNAの代表的な結果を示す。
図6A〜6Dは、図1A (T4ポリメラーゼ)、図4A (エキソヌクレアーゼIII)および図5A (T5エキソヌクレアーゼ)に示した方法の直接比較の結果を示す。図6Aは、上記の各種のアセンブリ方法を用いた、80 bpの重複配列を有するおよそ8 kbのベクターと合わせての、80 bpの重複配列を有する、5.9 kb〜6.2 kbの、4つの核酸断片のアセンブリの結果を示す。図6Bは、図6Aに示したアセンブリ産物で形質転換された大腸菌から精製され、ベクターからアセンブルされた断片を放出するためにNot Iで消化されたDNAの代表的な結果を示す。図6Cは、上記の各種のアセンブリ方法を用いた、80 bpの重複配列を有するおよそ8 kbのベクターと合わせての、マイコプラズマ・ゲニタリウムの2つの4分の1ゲノムのアセンブリの結果を示す。図6Dは、図6Cに示したアセンブリ産物で形質転換された大腸菌から精製され、ベクターからアセンブルされた断片を放出するためにNot Iで消化されたDNAの代表的な結果を示す。
図7Aは、アセンブルされた断片のコンビナトリアルライブラリを作製するためのコドン最適化の使用を示す概略図である。図7Bは、遺伝子のコンビナトリアルライブラリを作製するための多数のモチーフおよびドメイン変種の使用を示す概略図である。図7Cは、代謝経路のコンビナトリアルライブラリを作製するための変種遺伝子の使用を示す概略図である。
酢酸利用経路の概略図である。
図8Aに示した酢酸利用経路のコンビナトリアルライブラリを作製するための4種の制御配列と合わせての5種の生物由来の変種遺伝子の使用を示す概略図である。
図8Bに示した核酸断片に向けたアセンブリ戦略を示す概略図である。
制限酵素消化によりベクターから放出されたアセンブリ産物を示す、図8Cに示した例示的な酢酸利用経路のアセンブリの結果を示す。
図9A〜9Fは、図5Aに示した方法(T5エキソヌクレアーゼ)を用いた完全なマウスミトコンドリア・ゲノムの逐次的アセンブリを示す。図9Aは、全マウスミトコンドリア・ゲノムを網羅する15反応における、5つの300 bpの断片のアセンブリの結果を示す。図9Bは、図9Aに示した反応産物の増幅の結果を示す。図9Cは、全マウスミトコンドリア・ゲノムを網羅する3反応における、図9Aに示した反応の5つの1,180 bp産物のアセンブリの結果を示す。図9Dは、図9Cに示した反応産物の増幅の結果を示す。図9Eは、ベクター構築体における、図9Cに示した反応の3つの5,560 bp産物からのマウスミトコンドリア・ゲノム全体の最終アセンブリの結果を示す。図9Fは、ベクター配列の除去および再環状化後の図9Fに示したマウスミトコンドリア・ゲノム全体の最終アセンブリの結果を示す。]
[0030] 発明を実施する形態
定義
本明細書において用いられる場合、「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」という単数形は、文脈上明らかにそうでない場合を除き、その対象物の複数形も含む。]
[0031] 「約」という用語は、本明細書において用いられる場合、プラスまたはマイナス20%をいう。したがって、「約」30分は24〜30分を含む。「約」はまた、核酸の長さ、温度などをいう場合にプラスまたはマイナス20%をいう。範囲の端点は、本明細書において用いられる場合、範囲内に含まれる。プラスまたはマイナス20%がヌクレオチドのような、不可分の単位の非整数値を生じる場合、その値を最も近い整数に四捨五入すべきことを当業者は認識するであろう。例えば、約8ヌクレオチドは6.4〜9.6ヌクレオチドではなく、6〜10ヌクレオチドと解釈されるべきである。]
[0032] 「活性温度」という用語は、エキソヌクレアーゼ(すなわち、エキソヌクレアーゼIII)によって最初に作製された一本鎖突出部の長さが正味で減少するような、DNAポリメラーゼがエキソヌクレアーゼ(すなわち、エキソヌクレアーゼIII)よりも十分に活性である温度をいう。]
[0033] 「インビトロで」行われる本発明のそれらの方法において、タンパク質成分の全てが単離されおよび/または実質的に精製される。インビトロでのアセンブリ反応は生細胞中でまたは粗細胞抽出物を用いて行われず; その反応は無細胞環境中で行われる。]
[0034] 本発明の方法によるDNA分子の「連結」は、本明細書においてDNA分子の「組換え」または「アセンブリ」といわれることがある。]
[0035] 本発明によれば、遺伝子レベルの最適化は個別成分のデザインにより系統的な様式で達成される。これは前述の組み合わせの全ての段階で当てはまる。本発明の方法はその結果、先行技術の手法の無作為性を回避する。]
[0036] ヌクレオチドアセンブリの方法
手短に言えば、連結されるDNA分子が二本鎖である場合、好ましい方法は、DNA分子を、(a)二本鎖DNA分子の末端を「チュウバック(chew-back)」して、重複の領域を含む一本鎖突出部を曝露するエキソヌクレアーゼ(例えば、非プロセッシブエキソヌクレアーゼ); (b) 数ある機能の中でも特に、一本鎖突出部が特異的にアニールされる(ハイブリダイズされる)ように、核酸のアニーリングを加速する、PEGのような、密集剤; (c) アニールされた領域の3'末端を伸長することにより、アニールされた分子中に残る一本鎖ギャップをフィルインする、非鎖置換DNAポリメラーゼ; および(d) かくして形成されたニックを封着する(核酸連結する)、耐熱性リガーゼとともにインキュベートする段階を含む。一本鎖分子の場合、(a)のエキソヌクレアーゼは除かれてもよいが、除かれる必要はない。]
[0037] 連結されるDNA分子が一本鎖である場合、一本鎖DNA分子(例えば、本明細書においてヌクレオチドまたはntともいわれる、約40〜60塩基のオリゴヌクレオチド)はその末端の同一性の配列(例えば、約20塩基)によってアニールし、ギャップのある分子を形成する。エキソヌクレアーゼ活性はこれらのギャップのある分子に作用して、ギャップのサイズを増大しうる。次いでギャップのある分子は、上記のように、ポリメラーゼおよびリガーゼにより修復されて、二本鎖分子を形成する。]
[0038] 本発明の新規の一段階方法は、多数のDNA分子を同時に連結するために用いることができる。これを達成するために、連結されるDNA分子は、連結されるDNA分子の各対ごとがそれらの末端に重複配列を含むように、すなわち、一方のDNA分子の遠位領域がもう一方のDNA分子の近位領域と固有の配列相同性(例えば、同一性)の領域を含むようにデザインされる。遠位および近位とは、分子鎖の一端における任意の基準点をいい、例えば、指示対象X

に関して、Aが近位領域を表し、Bが遠位領域を表す。所定の方向および順序でのDNA分子の連結を容易とするために、配列同一性の遠位および近位領域の各セットが固有であるように(DNA分子の他の対の配列同一性の領域とは異なるように)選択される(デザインされる)。本方法は、いくつかのDNA分子が単一の反応混合物中で、および単一の容器中で連結されることを可能にする。相同性の領域は、状況によって、相補的であることが明らかであろう。「配列同一性の領域」という用語は、同一配列も相補配列もともに包含する。]
[0039] 本発明の方法において、連結されるdsDNA分子の対の一方の遠位領域は、もう一方のdsDNA分子の近位領域と配列相同性(例えば、配列同一性)の領域を共有する。本明細書において用いられる「遠位」という用語は、連結される対の第1のDNA分子(最も5'側のDNA分子)の3'末端をいい、「近位」という用語は、対の第2のDNA分子の5'末端をいう。相同性の領域は本明細書において「重複」、「重複配列」または「重複の領域」といわれることがある。本明細書において用いられる「配列相同性(同一性)の領域」は、二本鎖DNA分子の両鎖をいう。したがって、例えば、連結される2つの分子の遠位および近位領域の一本鎖突出部のなかに相補領域が存在する場合、この領域の一本鎖はその相補鎖と特異的にハイブリダイズすることができる。]
[0040] 1つの態様において、連結されるDNA分子は、関心対象の遺伝子またはゲノムにおいて相互に隣接して位置しうる合成により作製されたDNA分子である。例えば、両端に20塩基の配列同一性の領域を有する約8つの60-mer一本鎖オリゴヌクレオチド(オリゴ)の第1のセットを正しい順序および方向で連結させて、300 bpのdsDNAを形成させることができる。ほぼ同じサイズの同数の隣接DNA分子の第2のセットを同様に連結させることができ; その後、第二段階のアセンブリで、この2セットの連結分子は相互に連結される。所望されるのと同数のサイクルで、DNA分子のさらなるセットを用いてこの工程を繰り返す。そのようにして、全てがまたはほぼ全てが合成により作製された、遺伝子またはゲノムの成分要素は、逐次的な段階で連結されて、完全な遺伝子またはゲノムを形成することができる。]
[0041] 本発明の方法の利点には、十分に特徴付けられ、単離された(例えば、実質的に精製された)酵素を用いて、十分に定義された条件の下で連結反応を行う能力が含まれる。これによって連結反応は制御および再現可能になる。本発明の方法において、連結工程は、細胞または細胞抽出物中に存在しうるエキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼのような、反応混合物中の他の酵素によってもたらされる競合反応に供されない。本発明の連結反応は、正確で、安価であり、サンプルの取り扱いをほとんど必要とせず、単一の容器中で迅速に(例えば、約15分〜1時間で、例えば約15分〜約30分で)完了することができる。必要なら、方法の段階は調査員の介入なしに、ロボットによって行われることができる。]
[0042] 本発明の方法の他の利点には以下が含まれる: 定義された順序および方向でDNA分子を連結する能力によって、例えば、定義された方向での線状化ベクターへの関心対象の1つもしくは複数の断片のクローニングが可能となり; または関心対象のさらに長い配列の構成DNA部分のアセンブリ(合成遺伝子もしくはゲノムの構成部分のアセンブリのような)が可能となり; またはPCR増幅段階によっては大きすぎてクローニングできないDNAの部分断片のアセンブリおよびクローニングが可能となる。この方法によって、連結される断片の末端に制限酵素認識部位が存在することに依らなくても関心対象のDNA分子を連結するおよび/またはクローニングすることが可能となる。インビトロでの手順は、インビボでのクローニングには不安定なまたは別の点で不応性な、したがって、細菌への形質転換および細菌中での複製を要する方法によりクローニングすることが困難であるようなDNAをアセンブルすることも可能にする。必要なら、本発明の方法によってアセンブルされたDNAをその後、この場合もやはり、細菌を通じてDNAを継代する必要なしに、インビトロで(例えば、ローリングサークル増幅(RCA)のような、多重置換増幅(MDA)により; またはPCRにより)増幅することができる。必要なら、アセンブリが完了したすぐ後にクローニングされた配列を適当な宿主細胞へ形質転換できるように、ベクターの存在下においてDNA分子をアセンブルすることができる。]
[0043] これらの方法を逐次的に繰り返して、ますます大きな分子をアセンブルすることができる。例えば、本発明の方法は、上記の方法を繰り返して、関心対象の2つまたはそれ以上のDNA分子の第2のセットを別のセットに連結させる段階、その後、該方法を再度繰り返して、関心対象の第1および第2のセットのDNA分子を連結させる段階などを含むことができる。これらの複数ラウンドのアセンブリの間の任意の段階で、アセンブルされたDNAを適当な微生物に形質転換することによってそれを増幅させることができ、またはインビトロで(例えば、PCRもしくはローリングサークル増幅(RCA)によって)それを増幅させることもできる。]
[0044] 本発明の1つの局面において、関心対象のDNA分子は、長さが約40〜60塩基である一本鎖オリゴヌクレオチドであり、配列同一性の領域がわずか20塩基からなる。本発明の他の局面において、関心対象のDNA分子は、長さが少なくとも約100、200、500、1,000、5,000、10,000、50,000、100,000、200,000、500,000または1×106 bpの二本鎖DNA分子である。これらのdsDNA分子における配列同一性の領域は、少なくとも約20、30または40ヌクレオチド(nt)、例えば、少なくとも約80、300、500またはそれ以上のntを含むことができる。]
[0045] 本発明の方法を用いて、単一の協奏反応で少なくとも約8つのDNAオリゴヌクレオチド(オリゴ)、例えば、約100もの数のオリゴヌクレオチドを連結して、1つの近接DNAを作製することができる。単一の容器中で、多くのそのような協奏反応が同時に行われることができる。例えば、単一の容器中で、何百もの反応が同時に行われることができ、その反応のそれぞれで8つのオリゴヌクレオチドがアセンブルされて近接DNAを形成し、結果として何百もの近接DNAを生ずる。単一の協奏反応でのdsDNA分子の連結の場合、連結される分子の各対ごとに、一方のDNA分子の遠位領域がもう一方のDNA分子の近位領域と配列相同性の領域を含み、相同性の遠位および近位領域の各セットが、連結されるDNA分子の各対に固有である、少なくとも約4分子(例えば、少なくとも約5、10、25、50、75または100分子)が存在しうる。]
[0046] 本発明の連結反応において、連結される関心対象のDNA分子の集合は、線状化ベクターDNA分子をさらに含むことができ、関心対象の連結されたDNAをかくしてベクターにクローニングすることができる。そのような分子を、必要なら、宿主細胞(例えば、微生物、例えば細菌(例えば、大腸菌)、酵母または真核細胞、例えば哺乳類細胞)に形質転換することができる。]
[0047] 本発明の方法において、DNA分子の1つまたは複数(例えば、全て)を合成により作製することができる。DNA分子は関心対象の遺伝子またはゲノムの隣接配列であることができる。1つの態様において、DNA分子はそれらの末端に配列同一性の重複領域を含むように合成され、DNA分子は合成遺伝子またはゲノムの一部または全部を形成するように連結される。]
[0048] 本発明の1つの局面において、連結される関心対象のDNA分子のそれぞれが、2つの同一性領域のそれぞれの遊離末端に、関心対象のDNA分子のいずれかに非相同である配列を含み、連結反応の間に、ポリメラーゼの3'エキソヌクレアーゼ活性(等温方法の場合には)または熱サイクル方法の場合にはポリメラーゼの5'エキソヌクレアーゼ活性によって非相同配列が除去される。非相同配列はPCRプライマーのための1つもしくは複数の結合ドメイン(例えば、4つの異なる結合ドメイン)、および/または1つもしくは複数の制限酵素のための認識部位を含むことができる。]
[0049] このように、本発明の方法は自動化され高速大量処理される(例えば、ロボットによる方法で行われる)ように容易に適応させることができる。]
[0050] チュウバック
本発明の方法において、エキソヌクレアーゼ消化は、曝露された一本鎖相同領域の特異的なアニーリングを可能とするのに十分な数のヌクレオチドをチュウバックするのに有効な条件の下で行われる。一般に、少なくとも重複領域の全体がチュウバックされ、重複領域を含む突出部を遊離する。いくつかの方法では、エキソヌクレアーゼ消化はdNTPの非存在下でポリメラーゼ(例えば、T5DNAポリメラーゼ)により行うことができるが、他の方法では、エキソヌクレアーゼ消化はdNTPの存在下で、ポリメラーゼ活性を欠くエキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼIII)により行うことができる。]
[0051] 他の態様において、例えば重複の領域が非常に長い場合、その領域の一部分(例えば、その領域の半分以上)をチュウバックすることが必要なだけでありうる。ただし、かくして作製された一本鎖突出部は反応条件の下で特異的にアニールするのに十分な長さおよび塩基含量のものであるものとする。「特異的にアニールする」とは本明細書において、一本鎖突出部の特定の対が反応混合物中に存在する他の一本鎖突出部とよりも、相互と選択的に(または唯一)アニールすることを意味する。「選択的に」とは、突出部の少なくとも約95%が、対をなす突出部とアニールすることを意味する。当業者は、所与の一連の反応条件の下で関心対象の配列の特異的なアニーリングを達成するのに最適な長さを容易に判定することができる。一般に、相同な重複領域(一本鎖突出部またはその相補体)は、同一の配列を含むことができる。しかしながら、部分的に同一の配列を用いることもできる。ただし、一本鎖突出部は反応の条件の下で特異的にアニールすることができるものとする。]
[0052] 密集剤
反応混合物中の、PEGのような、密集剤の適当な量により、分子密集が可能とされ、増強され、または促進される。任意の特定の機構によって束縛されることを望むわけではないが、分子密集を可能とする、密集剤は溶液中で水に結合し、水の動きを止めて、溶液の成分が互いにもっと近くで接触することを可能にすることが示唆されている。例えば、再結合されるDNA分子は、さらに近接近することが可能になり、これはかくして一本鎖突出部のアニーリングを促進する。また、酵素はそのDNA基質ともっと近くで接触することができ、水分子の除去によって安定化されうることも示唆されている。種々の適当な密集剤が当業者には明らかであろう。これらには、重合体、例えば、ポリエチレングリコール(PEG); Ficoll 70のような、Ficoll;デキストラン70のような、デキストランなどのような、種々の周知の巨大分子が含まれる。本出願における論述の多くはPEGを対象とする。しかしながら、該論述は他の適当な密集剤にも当てはまることが意図される。当業者は、他の密集剤の使用に合わせるために、方法を日常的に修正する仕方について認識しているであろう。]
[0053] 一般に、PEGが用いられる場合、約5% (重量/体積)の濃度が最適である。しかし、PEGの量は、例えば、約3%〜約7%に及ぶことができる。例えば、約PEG-200 (例えば、PEG-4000、PEG-6000もしくはPEG-8000)から約PEG-20,000、またはさらにそれ以上に及ぶ、任意の適当なサイズのPEGを用いることができる。本明細書の実施例においては、PEG-8000を用いた。密集剤は、アニーリング反応を増強することに加えて、核酸連結を増強することができる。]
[0054] 遺伝子修復
一本鎖DNA(連結されるDNA分子がdsDNAである場合にはエキソヌクレアーゼの作用によって作製された突出部か、または連結されるDNAが一本鎖DNAである場合には一本鎖DNA分子の配列同一性の領域のいずれか)のアニーリングの後に、エキソヌクレアーゼによって残された一本鎖ギャップは、適当な耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼ(本明細書において「ポリメラーゼ」といわれることもある)によりフィルインされ、かくして形成されたニックは耐熱性リガーゼにより封着される。本明細書において用いられる「非鎖置換DNAポリメラーゼ」とは、dsDNA分子をコピーして進む時にその進路にあるDNA鎖に遭遇するとDNAの合成を終結する、またはかくして作製されたギャップを同時にフィルインしながら進む時に遭遇したDNA鎖を分解し、それによって「ニックの移動」(ニックトランスレーション)を生ずるDNAポリメラーゼである。]
[0055] ギャップフィリング反応によって生じたニックは、種々の適当な耐熱性DNAリガーゼ(本明細書において「リガーゼ」といわれることもある)のいずれかで封着されることができる。適当なリガーゼの中には、例えば、Taqリガーゼ、Ampligase ThermostableDNAリガーゼ(Epicentre Biotechnologies)、米国特許第6,576,453号に開示されているThermostableリガーゼ、Bioneer, Inc社製のThermostable Tfi DNAリガーゼなどがある。]
[0056] 一般に、実質的に全てのニック(または全てのニック)が反応手順の間に封着される。しかしながら、1つの態様において、いくつかのニックを依然として含む連結されたDNAが大腸菌のような、細菌に形質転換されてもよく、そこで細菌の機構によってニックは封着される。]
[0057] 本発明の方法において用いられる酵素の量は実験的に判定することができる。一般に、5'エキソヌクレアーゼ活性の量は、ポリメラーゼ活性の量よりも実質的に低く、リガーゼ活性はポリメラーゼに比べて大過剰にある。本発明の方法において用いられる酵素の適当な量は、本明細書の実施例に示されている。]
[0058] 本発明の反応混合物中に存在する反応成分(塩、緩衝液、適当なエネルギー源(ATPまたはNADのような)、反応混合物のpHなどのような)は個々の酵素(エキソヌクレアーゼ、ポリメラーゼおよびリガーゼ)にとって最適ではないかもしれず; むしろ、それらは、反応のセット全体にとって有効である妥協点としての役割を果たす。いくつかの例示的な反応条件が実施例に提示されている。例えば、本明細書においてISO (ISOthermal)といわれることもある、本発明者らによって特定された1つの適当な緩衝液系。緩衝液は、典型的には、0.1 M Tris-Cl pH 7.5; 10 mM MgCl2、0.2 mMの各dGTP、dATP、dTTPおよびdCTP、10 mM DTT、5% PEG-8000ならびに1 mM NADを含む。]
[0059] 本発明の方法において、エキソヌクレアーゼ、ポリメラーゼおよびリガーゼ活性を有するタンパク質は、単離されている(例えば、実質的に精製されている);細胞抽出物または無傷細胞は利用されない。本明細書において用いられる「単離された」タンパク質という用語は、タンパク質がその元の環境(例えば、それが天然に存在しているなら天然の環境)から取り除かれ、それが天然には結び付いている大部分の他の成分から単離されまたは分離されていることを意味する。例えば、天然タンパク質の天然の生存宿主に存在するそのタンパク質(例えば、ファージに感染している細菌に存在するバクテリオファージタンパク質)は単離されているのではなく、天然の系に共存している物質の一部または全部から分離された、同タンパク質が単離されている。そのようなタンパク質は組成物または反応混合物の一部であってもよく、それであっても、そのような組成物または反応混合物がその天然の環境の一部ではないという点で単離されているものとできる。本明細書において用いられる「単離されたタンパク質」という用語は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上のコピーのタンパク質を含むことができ、すなわち、そのタンパク質は、対象としている特定のタンパク質に応じて、単量体の形態であってもよく、またはそれは二量体、三量体、四量体などのような、多量体の形態であってもよい。いくつかの態様において、タンパク質は精製されている。本発明の方法において用いられるタンパク質を精製するための方法は、従来のものである。いくつかの態様において、タンパク質は実質的に精製され、または均質にまで精製されている。「実質的に精製され」とは、タンパク質が他のタンパク質から分離され、他のタンパク質を本質的に含まない、すなわち、タンパク質が主要有効成分であることを意味する。精製タンパク質をひいては、連結されるDNAと接触させることができる。本発明の方法において用いられるタンパク質は、完全長のタンパク質ではなく、「活性な断片」の形態であってもよい。ただし、その断片は、連結を達成するのに必要な活性(酵素活性または結合活性)を保持しているものとする。当業者は、そのような活性な断片を作製および使用する方法を認識しているであろう。]
[0060] DNA分子の連結
本発明の方法において、DNA分子を連結させるのに有効な条件の下で少なくとも2つのDNA分子を酵素と接触させて、実質的に無傷の(好ましくはニックを持たない)二本鎖DNA分子(例えば、ここでは単一コピーの配列同一性の領域が保持されている)を形成させる。]
[0061] 本発明の方法は、天然に存在するDNA、クローニングされたDNA分子、合成により作製されたDNAなどを含めて、関心対象の任意のDNA分子を連結するために用いることができる。連結されたDNA分子は、必要なら、(例えば、本発明の方法を用いて)ベクターにクローニングすることができる。]
[0062] 任意の長さのDNA分子を本発明の方法によって連結することができる。約40〜60塩基の一本鎖オリゴヌクレオチドを、例えば約20塩基の重複によって、連結することができる。40 bpの重複を有する分子を連結するための最小のサイズは約80 bpである。200 bpの重複を有する分子の場合、最小のサイズは約400 bpである。理論的に、連結できるDNA分子の最大のサイズはないはずである(非常に大きな分子は小さなものよりも脆弱であり、したがって切断に供される可能性があるが)。例えば、100 bp〜約750 bpもしくは1,000 bpまたはそれ以上を有するカセットを連結することができる。]
[0063] 2つから本質的に上限レベルのないDNA分子を連結することができる。一般に、少なくとも約5〜10個の断片を連結することができる。連結できる断片の数は、一つには、重複の長さおよび断片の長さに依る。例えは、約150〜約200 bpの突出部を有する断片(例えば、約3kbの、またはそれよりも大きいもしくは小さい断片)を用いれば、連結できる断片の数は実質的に無制限である。1つの反応で連結できる断片の数も、一つには、連結工程の効率に依る。連結の効率が100%であれば、無限数のDNA分子を理論的には連結することができよう(ただし、ほぼ同数の各基質分子が反応に存在するものとする)。もっと効率が低ければ(例えば、2分子の各対の約75〜90%の連結)、2つから約250のDNA分子を連結することができる。本発明の方法は、広範囲の基質DNA (例えば、反応混合物中の各基質約10〜約1,000 ng)でうまくいく。]
[0064] 本発明のいくつかの態様において、連結されたDNA分子は環を形成する、および/またはベクター中で核酸連結されるようになって環を形成する。環状化させるdsDNAのサイズ下限は約200塩基対である。それゆえ、連結された断片の全長(場合によっては、ベクターの長さを含む)は、長さが少なくとも約200 bpであることが好ましい。事実上サイズ上限はなく、数百キロ塩基対の、またはそれより大きい連結DNAを本発明の方法によって作製することができる。連結されたDNAは環状または線状のいずれかの分子の形態をとることができる。]
[0065] より詳細には、本発明による1つのまたはいくつかのアセンブリ段階において、最終産物を産生するようにインビトロで連結されうるDNA分子またはカセットの数は、少なくとも約2、3、4、6、8、10、15、20、25、50、100、200、500、1,000、5,000もしくは10,000 DNA分子またはそれら以下であることができ、例えば、約4〜約100分子の範囲内であることができる。アセンブリ段階の数は約2、4、6、8、10またはそれ以上であることができる。単一の段階でアセンブルされる分子の数は、約2〜約10分子の範囲内であることができる。本発明の方法は、各々が少なくとも約40 bs、60 bs、80 bs、100 bs、500 bs、1kb、3 kb、5 kb、6 kb、10 kb、18 kb、20 kb、25 kb、32 kb、50 kb、65 kb、75 kb、150 kb、300 kb、500 kb、600 kb、1 Mbのもしくはそれよりも長い、またはそれら以下の、例えば約3 kb〜約500 kbの範囲内の出発サイズを有するDNA分子またはカセットをともに連結するために用いることができる。本発明の方法のDNA最終産物は少なくとも約500 bs、1 kb、3 kb、5 kb、6 kb、10 kb、18 kb、20 kb、25 kb、32 kb、50 kb、65 kb、75 kb、150 kb、300 kb、500 kb、600 kb、1 Mbまたはそれ以上、例えば30 kb〜1 Mbの範囲内であることができる。1つの態様において、本発明の方法は約6 kbのカセットへの、数ラウンドのアセンブリを通じての、短い一本鎖オリゴヌクレオチドのインビトロでのアセンブリ、その後、約600 kbのDNA分子へのそのような100カセットのアセンブリのために用いられる。]
[0066] DNA分子の混合物を連結する場合、DNAは、ほぼ等モル量で存在することが好ましい。DNA分子の数が均衡状態でなければ、アセンブルされる種の終結という結果になるであろう。例えば、8つのDNA分子がアセンブルされる例を考慮されたい(1〜8と番号を付ける)。例えば、分子番号4が過剰にあれば、アセンブルされる分子の大部分は1〜4および4〜8であろう。反応においてわずか数百の塩基しかチュウバックされていないと仮定すれば、1〜4の遠位領域と4〜8の近位領域との間に配列相同性は存在せず、その結果、1〜8の量を減らすことになろう。]
[0067] 配列相同性の領域
配列同一性の領域は、特異的な組換えが行われることを可能とするだけ十分に長くなければならない。すなわち、その領域は、連結される2つのDNA分子の末端の重複領域がそれらのDNA分子に固有であり、組換え反応中に他のDNA分子がそれらの2つのDNA分子にアニールしないよう十分に長くなければならない。その長さは最低約10塩基対(bp)から約300 bpまたはそれ以上まで変わることがある。一般に、重複の長さは、組み合わされる断片ほどのサイズ以下であるが、約10 bp以上かつ約1000 bp以下であることが好ましい。2つまたは3つの断片の連結の場合、約20〜30 bpの重複は十分でありうる。10個超の断片の場合、好ましい重複は約80 bp〜約300 bpである。1つの態様において、配列同一性の領域は、合成方法によって容易に作製されることを可能にする長さのもの、例えば、約40 bp (例えば、約32〜約48 bp)である。重複は、例えば、長さが約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1,000 bpであることができる。]
[0068] 好ましい態様において、多数のDNA分子を連結したい場合、連結されるDNA分子の各対ごとに、対のDNA分子の一方の遠位領域は対のもう一方のDNA分子の近位領域と配列同一性の領域を共有するようにデザインされ、DNA分子の各対の配列同一性の遠位および近位領域は固有であるように(DNA分子の他の対の配列同一性の領域とは異なるように)デザインされる。重複する同一性の領域がこのようにデザインされる場合、連結される分子におけるDNA分子の方向および順序を予め決めておくことができる。いくつかのDNA分子(例えば4つまたは6つの分子)をかくして、本発明の方法において単一の反応混合物中で(単一の容器またはコンテナ中で)ともにインキュベートし、個々のDNAが任意の所望の順序および方向で並べられているさらに長いDNA分子へ連結することができる。]
[0069] 連結されるDNAの近位および遠位領域に存在する配列同一性の領域は、種々の方法のいずれかによって作製することができる。]
[0070] 例えば、本発明の1つの態様において、関心対象の遺伝子またはゲノムの合成により調製された、重複する断片(例えば、長さが約5〜6kb、またはそれよりも長いもしくは短い)は任意で、増幅され(例えば、PCRにより、またはローリングサークル機構のようなMDAにより)、それらが遺伝子またはゲノムにおいて位置する順序および方向で本発明の方法により連結されてもよい。この方法において、第1のDNA断片(例えば、遺伝子またはゲノムの最も5'側の部分における)は、その3'末端(遠位末端)の領域が、連結させたいDNA断片の5'末端(近位末端)の配列と同一である配列(例えば、約40 bp)を含むように合成される。順に、第2のDNA断片は、その遠位末端で、第3のDNA断片の近位末端の配列と同一である配列を有するように合成される、など。別の態様において、関心対象の遺伝子またはゲノムの合成により調製された断片は、ベクターへ挿入され、大腸菌内で増殖されて、合成により調製された断片をさらに多く作製し、その後、ベクターから放出され、任意でPCR、MDAまたはRCAによってさらに増幅され、それらが遺伝子またはゲノムにおいて位置する順序および方向で本発明の方法により連結されてもよい。これらの手順は合成遺伝子またはゲノムの調製を可能にする。]
[0071] 本発明の別の態様において、連結される2つの断片は、断片が、例えば約20〜約1,000 bpだけ、相互に重複するような、制限酵素消化によって作製される。これらの重複領域を次いで、本発明の方法により連結させることができる。さらに多数の断片をこれらの方法により作製し、連結させることもできる。先述の方法ならびに合成により調製されたDNA分子および/またはPCRにより作製された分子を用いる方法の組み合わせを用いてもよい。]
[0072] 本発明の1つの態様において、約20 bpから化学的に合成できる任意のサイズまでの、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを用いることができる。例えば、各末端に約10〜20 bpの相同性重複を有する、約60 bpの10個のssDNAオリゴヌクレオチドをベクター中で同時にアセンブルすることができる。10個のそのようなオリゴヌクレオチドのアセンブリは、約500 bpのdsDNA分子をもたらす。この方法によりアセンブルされたDNA分子を、順に、この(または別の)方法によりアセンブルされた1つまたは複数の他のDNA分子(例えば、約500 bpのアセンブリ)に連結させることができる。この方法の繰り返しによって非常に大きなDNA分子を作製することができる; かくして作製されるDNA分子のサイズには理論的限界がない。]
[0073] 本発明の態様において、同一性の領域はPCR増幅によって導入される。]
[0074] 1つのそのような方法において、関心対象の断片はベクターへ挿入される。例えば、プラスミドベクターを制限酵素で線状化し、配列A (例えば、40 bpを有する)を制限酵素切断の左側におよび配列B (例えば、40 bpを有する)を制限酵素切断の右側に作製することができる。配列Aを断片の左側末端に、および配列Bを断片の右側末端に導入しうるPCRプライマーを用いて、ベクターへクローニングされる断片をPCR増幅する。配列同一性の領域(この例では、それぞれが40 bpを有する)は、所望の方向でベクターに連結される断片が環状分子を形成することを可能にする。あるいは、PCR増幅中に挿入断片へ導入される可能性のある誤りを回避することが望ましい場合にはとりわけ、クローニング部位の末端に、挿入断片の末端の配列に重複する配列を導入するためにベクターをPCR増幅することもできる。上記の方法は、挿入断片上の制限酵素部位の存在、またはその導入に依らなくても、関心対象の任意の挿入断片の方向性クローニングを可能とする。]
[0075] 先の方法の変化形として、2つまたはそれ以上のDNA断片が相互に連結されて、線状分子を形成する。先の方法のこの変化形として、連結される断片の各対に固有である配列同一性の領域は、適当なプライマーを用いて、PCR増幅により断片へ導入される。別の断片に連結される各DNA断片の場合、配列は、連結させたい断片の5' (近位)末端の配列と重複する第1の断片の3' (遠位)末端に導入される。先の方法と同様に、PCRプライマー(例えば、20 ntを有する)の5'側に配列同一性の領域(例えば、40 nt)があるPCRプライマーを用いる。適当数のラウンドのPCR増幅の後、配列同一性の規定領域が断片の末端に存在するDNA断片が産生される。得られた断片を次いで、本発明の方法により所定の順序および方向で連結することができる。]
[0076] 必要に応じて、連結された線状DNA断片は環状化されてもよく、またはそれらは(断片の連結と同時に、もしくはその連結の後に)ベクターへ挿入されて環を形成してもよい。例えば、連結された断片がベクターへ導入されるように、連結反応の中にベクターが存在してもよい。本発明の方法によってベクターへ多数の断片(例えば、6つまたは8つの断片)を連結する効率は、互換性のある制限酵素部位を利用する方法を用いた場合よりも高い。制限酵素およびT4DNAリガーゼを用いる典型的なクローニング実験では、ベクターへ核酸連結する複数の挿入断片を得ている研究者に有利ではない可能性がある。しかしながら、本発明のアセンブリ方法では、研究者は約6つの挿入断片をベクターへ、およそ20〜50%の効率で、またはそれより高い効率で連結することができる。さらに、効率が高いので、非組換え体に対する組換え体の比率が増大する。非組換え体のバックグラウンドレベルは、アガロースゲル電気泳動により純粋なバンドを単離することによって(本方法はアガロースゲル上でバンドを単離するのに十分高い収量をもたらすので)、またはサイジングカラムを用いてさらに減らすことができる。所望のサイズのDNA (正しい数の連結DNA分子を有する)を、例えば本発明の方法を用いて、単離し、ベクターへ導入することができる。最終産物が環であれば、それをアガロースゲル電気泳動によって単離する必要はない。むしろ、サンプルを、線状dsDNAを選択的に加水分解するが、環状dsDNAを加水分解しないATP依存性DNAseである、Plasmid-Safe(商標) (Epicentre)のような酵素で処理することができる。使用者の用途が純粋なクローンを必要としていなければ、大腸菌へ形質転換し、プラスミド調製を行わずとも十分な量のDNAがあるかもしれない。]
[0077] 1つの態様において、連結されたDNA分子および/またはベクターへ挿入されたDNA分子は、細菌または真核細胞のような、宿主細胞へ(例えば、形質転換またはトランスフェクションにより)導入される。あるいは、連結されたDNA分子を含む反応混合物が宿主細胞へ導入されてもよく;組換えられて環状分子を形成したDNAだけが宿主細胞中で生存することができる。別の態様において、連結された断片および/またはベクターへ挿入された断片は、細菌細胞のような、細胞を通じたさらなる継代なしに、直接用いられる。]
[0078] 本発明の分子生物学法は、従来の手順を用いて行うことができる。本発明の方法のさまざまな用途が当業者には明らかであろう。本発明の方法は、DNA分子を連結するための適合性の配列を作製するために制限酵素消化が用いられる任意の方法に代えて用いることができる。本発明の1つの態様において、本発明の方法によって部分断片を連結することにより、その後、それらを適当なベクターへ挿入することにより、大きすぎてPCRにより増幅できないDNA分子をクローニングすることができる。DNA片のなかには大腸菌、とりわけA + T%含量が高いものにおいて不安定な(それゆえ、クローン不能な)ものもある。本発明の方法は、大腸菌へ形質転換される必要なくインビトロでのDNAのアセンブリを可能にする。さらに、phi29DNAポリメラーゼを反応に加えて、環状DNAを増幅することもできる。本発明のインビトロでの組換え系は、関心対象の任意の相同DNAを組換えるために、例えば、二本鎖DNA切断またはギャップなどを修復するために用いることができる。この方法の別の適用は、突然変異をDNAへ導入することである。この方法では、突然変異は上鎖および下鎖PCRプライマーの両方へ導入され、したがって増幅された断片は100%変異体である; 次いで本発明の方法によりこれらの断片を連結する。]
[0079] 本発明の1つの態様は、関心対象の遺伝子またはゲノムの隣接領域に当たる5〜6kbのDNA分子のような、カセットを連結して、組み合わせアセンブリを作製することである。例えば、1つもしくは複数の遺伝子が排除もしくは変異され、および/または1つもしくは複数のさらなる遺伝子が付加されるように、推定最小ゲノムまたは最小ゲノムのような、細菌ゲノムを改変することは興味深いかもしれない。そのような改変は、ゲノムを、例えば約5〜6 kbの、適当なカセットへ分割し、所望の改変を含んだカセットを元のカセットに代えて用いることで改変ゲノムをアセンブルすることにより行うことができる。さらに、同時に種々の変化(例えば、関心対象の遺伝子の種々の改変、種々の代替遺伝子の付加、1つまたは複数の遺伝子の排除など)を導入することが望ましいなら、組み合わせアセンブリにおいて、さまざまな改変に対応する種々のカセットを用いて、同時に多数のゲノムをアセンブルすることができる。多数の改変配列がアセンブルされた後、好ましくは高速大量処理の様式で、改変されたゲノムの各々の特性を試験して、どの改変がゲノム(またはゲノムを含む生物)に所望の特性を付与するかを判定することができる。この「さまざまなものを組み合わせる(mix and match)」手順によって、特性を比較できる種々の試験用ゲノムまたは生物が作製される。この手順全体を所望の通り再帰的様式で繰り返すことができる。]
[0080] 開示される方法は、関心対象の任意の核酸分子を連結するために用いることができる。核酸分子は、細胞のまたは組織の核酸サンプル、クローニングされた断片またはそのサブクローン、化学的に合成された核酸、ゲノム核酸サンプル、cDNA、核酸ライブラリから得られた核酸分子などを含めて、任意の供給源に由来することができる。DNAは放射活性物質で標識されても、または連結されたDNAの精製に役立ちうる、ビオチン化ヌクレオチドのような、結合実体を含んでもよい。必要なら、連結されるDNA分子、または配列同一性の重複領域を付加するためのプライマーを合成によって調製することができる。従来の合成技術には、ホスホジエステル結合によりヌクレオチドを連結するためのホスホロアミダイト固相化学の使用が含まれる。ホスホロチオエート結合または異なる結合、例えばメチルホスホネート結合によりヌクレオチドを連結するための化学を用いることもできる。例えば、MilligenまたはBeckman System 1 PlusDNA合成機(例えば、Milligen-Biosearch, Burlington, MAのModel 8700自動合成機またはABIModel 380B)を利用して、シアノエチルホスホロアミダイト法を用いることができる。また、DNA分子を作製するのに有用な合成方法はIkuta, et al. , Ann Rev. Biochem. (1984) 53:323-356, (ホスホトリエステルおよび亜リン酸トリエステル法)、およびNarang, et al., MethodsEnzymol. (1980) 65:610-620 (ホスホトリエステル法)によって記述されている。上記の方法によって調製されるDNAは、Integrated DNA Technologies (IDT), Coralville, IAのような、商業的供給源から入手可能である。]
[0081] 本発明の方法は自動化を受け入れられ、高速大量処理法への適応を受け入れられ、ヒトの介入を必要としないコンピュータによるおよび/またはロボットによる方法で同時に複数のDNA分子の連結を可能とする。]
[0082] DNA改変およびヌクレオチド類似体
本発明の方法において用いられるDNAは、種々の方法のいずれかで改変することができる。ただし、改変されたDNAが本方法において機能できるものとする。当業者は、特定の改変が改変DNAを機能可能にする(例えば、本方法において用いられる酵素により認識かつ作用可能にする)かを容易に判定することができる。]
[0083] 本発明の方法において用いられるDNAは、1つまたは複数の改変ヌクレオチドを有することができる。例えば、それらは塩基、糖、またはリン酸部分のいずれかに1つまたは複数の改変を含むことができる。塩基部分に対する改変には、A、C、G、およびTの天然および合成改変、ならびに異なるプリンまたはピリミジン塩基、例えばウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)および2-アミノアデニン-9-イルが含まれよう。塩基改変を多くの場合、例えば、2'-O-メトキシエチルのような、糖改変と組み合わせて、二重鎖安定性の増大のような、固有の特性を達成することができる。]
[0084] ヌクレオチド類似体も糖部分の改変を含むことができる。糖部分に対する改変には、リボースおよびデオキシリボースの天然改変ならびに合成改変が含まれよう。改変された糖にはまた、CH2およびSのような、架橋環酸素での改変を含むものが含まれよう。ヌクレオチド糖類似体は、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分のような糖模倣体を有することもできる。]
[0085] ヌクレオチド類似体は、リン酸部分で改変されることもできる。2つのヌクレオチド間のこれらのリン酸結合または改変リン酸結合は、3'-5'結合または2'-5'結合を通じてもよく、その結合には3'-5'から5'-3'または2'-5'から5'-2'のような逆の方向性が含まれてもよいことを理解されたい。さまざまな塩、混合塩および遊離酸の形態も含まれる。ヌクレオチド類似体は単一の改変を含んでさえいれば十分であるが、1つの部分の中にまたは異なる部分の間に、複数の改変を含んでもよいことを理解されたい。]
[0086] ヌクレオチド置換体は、リン酸部分および/または糖部分が置き換えられているヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体である。ヌクレオチド置換体には、ヌクレオチドと同様の機能性を有するが、リン酸部分を含まない分子、例えばペプチド核酸(PNA)が含まれる。ヌクレオチド置換体には、ワトソン・クリックまたはフーグスティーン様式で相補核酸を認識し、それとハイブリダイズするが、リン酸部分以外の部分を通じてともに連結されている分子が含まれる。ヌクレオチド置換体は、適切な標的核酸と相互作用する場合、二重らせん型構造に適合することができる。]
[0087] リン酸の置換体は、例えば、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つもしくは複数の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間結合であることができる。また、核酸置換体において、ヌクレオチドの糖とリン酸の両方の部分を、例えばアミド型結合(アミノエチルグリシン) (PNA)で置き換えることができることも理解されたい。]
[0088] 本発明のDNA分子は、異なる種類のヌクレオチドまたは同じ種類のヌクレオチドから構成されることができる。ヌクレオチドは、塩基(すなわち、ヌクレオチドの塩基部分)から構成されることができ、異なる種類の塩基を含むことができる。例えば、1つもしくは複数の塩基が3-ニトロピロールもしくは5-ニトロインドールのような、ユニバーサル塩基であることができ; 塩基の約10%〜約50%がユニバーサル塩基であることができ; 塩基の約50%もしくはそれ以上がユニバーサル塩基であることができ; または塩基の全てがユニバーサル塩基であることができる。]
[0089] 一段階の等温方法
本発明の1つの局面は、
実質的に無傷のdsDNA分子(例えば、単一コピーの配列同一性の領域が保持され、および/または対になっていない、非相同性の、一本鎖DNAが消化され除去されている)を形成させるよう少なくとも2つのDNA分子を連結するために有効な条件の下で、
(a)非耐熱性5' (5'から3'方向の)エキソヌクレアーゼ(例えば、T5またはラムダエキソヌクレアーゼ、および/またはここではエキソヌクレアーゼがT7エキソヌクレアーゼではない)、
(b)密集剤(例えば、約5% PEGのような、PEG、例えば、PEG-8000)、
(c) 3'エキソヌクレアーゼ活性を示す耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、Phusion(商標)もしくはVENTR(登録商標) DNAポリメラーゼのような、3'エキソヌクレアーゼ(校正)活性を固有に示すポリメラーゼ; または校正活性を欠く、Taqポリメラーゼのようなポリメラーゼと、力価決定済の(titered)量(通常は少量)の、3'エキソヌクレアーゼ活性を有するPhusion(商標)もしくはVENTR(登録商標)ポリメラーゼのような酵素との混合物、ならびに
(d) 耐熱性リガーゼ(例えば、Taqリガーゼ)
とともに、約45〜60℃で、単一容器中にて、少なくとも2つのDNA分子をインキュベートする段階を含む、各対の第1のDNA分子の遠位領域および第2のDNA分子の近位領域が配列同一性の領域を共有する、関心対象の2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子を連結するための、単離された(例えば、実質的に精製された)タンパク質を用いた、インビトロでの方法である。]
[0090] 好ましい等温方法では、(c)のポリメラーゼは3'エキソヌクレアーゼ活性を含む。この酵素活性は、ポリメラーゼ(c)の固有特性であることができる; 例えば、Phusion(商標)およびVENTR(登録商標)DNAポリメラーゼは、校正活性(3'エキソヌクレアーゼ活性)を示す耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼである。あるいは、ポリメラーゼ(c)は、校正活性を欠く、Taqポリメラーゼのような酵素と、用量決定済の(titrated)量(通常は少量)の、3'エキソヌクレアーゼ活性を有するPhusion(商標)またはVENTR(登録商標)ポリメラーゼのような耐熱性ポリメラーゼとの組み合わせであってもよい。この3'エキソヌクレアーゼ活性は、例えば、プライマー結合部位のような配列を、例えばユニバーサルプライマーによる分子のPCR増幅を可能とするために、連結されるDNA分子の末端に付加すること、しかしその後、アセンブリ手順の間にプライマー結合部位を除去することが望ましい場合、有用である。連結されるDNA分子を増幅するためにユニバーサルプライマーを使用できること、その後、ユニバーサルプライマーを使用可能にする分子中の結合ドメインをアセンブリ反応の間に除去できることは、本発明の利点である。]
[0091] 本発明のこの方法の利点は、リガーゼが5'末端を3'OH基に連結するのに5'リン酸化末端が必要であるとはいえ、5'リン酸化末端を当初には欠いたDNA分子(例えば、PCR増幅によって調製されたDNA)を連結できるということである。これは、5'エキソヌクレアーゼが、基質DNAの5'末端からヌクレオチドを除去するときに、5'リン酸化末端を残すためである。]
[0092] 任意の特定の理論によって束縛されることを望むわけではないが、成分の混合物が高温で(約45〜60℃、例えば、約50℃で)インキュベートされる場合に、DNAポリメラーゼはエキソヌクレアーゼ活性との競合に「勝利する」ことができ、その結果、エキソヌクレアーゼでの消化によって形成されたギャップが実質的にその形成直後にポリメラーゼによってフィルインされるものと示唆されている。これは、エキソヌクレアーゼが耐熱性ではなく、かくして高温で弱活性であり、約10〜15分のインキュベーションの後に不活性化されるのに対し、ポリメラーゼは高い温度で十分に機能し、反応を推進してギャップをフィルインするために達成され、かくして形成されたニック入り分子はその後、耐熱性リガーゼによって核酸連結されることができる。「耐熱性」酵素とは、少なくとも約45℃〜60℃の温度で十分に機能できる酵素を意味する。]
[0093] また、本発明の方法によってDNA分子をアセンブルするための緩衝液の条件は、PCR増幅に適しており、アセンブリ混合物はPhusion(商標)ポリメラーゼを既に含有しているので、アセンブリ反応の後に緩衝液の条件を変えないでPCRを行うことができる。1つの態様において、アセンブリが完了したら、反応成分を保持している容器を開けて、PCRのプライマーを加える。別の態様において、プライマーは反応開始の段階からアセンブリ混合物のなかに既に含有されている。この態様において、アセンブリの後、容器を開ける必要はなく、PCR反応はすぐに始まり、標準的な手順によって進むことができる。プライマーがアセンブリ混合物のなかに含有されている場合、PCRにおける通常のプライマー濃度(通例500 nM)を超える(例えば、およそ5,000 nMの)プライマーを加えて、アセンブリ段階中にエキソヌクレアーゼによってPCRプライマーの一部分または大部分の分解を阻止することが必要になるかもしれない。]
[0094] 好ましい等温方法によって2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNAをインビトロで連結するためのキットは、単一の容器中に、
dsDNA分子またはssDNAオリゴヌクレオチドが適当な緩衝液成分およびdNTPの存在下においてキットに加えられて、約45℃〜約60℃で、約15〜60分間インキュベートされる場合に、DNA分子が協奏反応で、アセンブルされるような適当な量で、
(a)非耐熱性5'エキソヌクレアーゼ(例えば、ここではエキソがT5またはラムダエキソヌクレアーゼであり; ここではエキソがT5であり; ここではエキソがT7エキソヌクレアーゼではない)、
(b)密集剤(例えば、約5% PEG-8000のような、PEG)、
(c) 3'エキソヌクレアーゼ活性を示す耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、Phusion(商標)およびVENTR(登録商標) DNAポリメラーゼのような、3'エキソヌクレアーゼ(校正)活性を固有に示すポリメラーゼ; または校正活性を欠く、Taqポリメラーゼのようなポリメラーゼと、力価決定済の(titered)量(通常は少量)の、3'エキソヌクレアーゼ活性を有するPhusion(商標)もしくはVENTR(登録商標)ポリメラーゼのような酵素との混合物、ならびに
(d) 耐熱性リガーゼ(例えば、Taqリガーゼ)
を含む。]
[0095] 1つの態様において、キットは、実施例III Aに示されるオリゴヌクレオチドアセンブリ混合物の成分を含む。本発明のキットは、例えば、約-20℃で凍結保存することができる。]
[0096] 本発明の方法においてDNA分子の末端をチュウバックするために、種々の5'から3'方向の、二本鎖特異的なエキソデオキシリボヌクレアーゼのいずれかを用いることができる。「5'エキソヌクレアーゼ」という用語は、本明細書において5'から3'方向のエキソデオキシリボヌクレアーゼをいうように用いられることがある。本明細書において用いられる「非プロセッシブ」エキソヌクレアーゼは、各DNA結合事象の間に限られた数の(例えば、ごくわずかの)ヌクレオチドを分解するエキソヌクレアーゼである。5'エキソヌクレアーゼによる消化は、DNA分子中に3'一本鎖突出部を生ずる。5'エキソヌクレアーゼで望ましい他の特性のなかには、それが3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く、それが5'リン酸末端を生じ、かつそれが5'リン酸化末端からも5'非リン酸化末端からも分解を開始するということがある。この酵素は、分子の5'末端からの消化を、平滑末端であるか、または小さな5'もしくは3'陥凹末端を有するかにかかわらず開始できることも望ましい。適当なエキソヌクレアーゼが当業者には明らかであろう。これらには、例えば、ファージT5エキソヌクレアーゼ(ファージT5遺伝子D15産物)、ファージラムダエキソヌクレアーゼ、RacプロファージのRecE、大腸菌由来のエキソヌクレアーゼVIII、ファージT7エキソヌクレアーゼ(ファージT7遺伝子6産物)、または相同組換え反応に関わる種々の5'エキソヌクレアーゼのいずれかが含まれる。本発明の1つの態様において、エキソヌクレアーゼはT5エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼである。別の態様において、エキソヌクレアーゼはT5エキソヌクレアーゼである。別の態様において、エキソヌクレアーゼはファージT7エキソヌクレアーゼではない。本発明の方法において利用されるエキソヌクレアーゼおよび他の酵素を調製および使用するための方法は、従来のものであり、多くのものはUSB Corporation, 26111 Miles Road, Cleveland, Ohio 44128、またはNew England Biolabs, Inc. (NEB), 240 County Road, Ipswich, MA 01938-2723のような、商業的供給源から入手可能である。]
[0097] 5'エキソヌクレアーゼが用いられる場合、DNA分子の5'末端には、例えば分子が環を形成できなければ、修復されることのできない一本鎖突出部が作製され、または他の手順を導入して、これらの5'末端のエキソヌクレアーゼ消化を遮断する。本発明の方法において用いられる非鎖置換DNAポリメラーゼは、プライマー分子から5'の方向に伸長を行わなければならない。5'エキソヌクレアーゼでチュウバックされたDNA分子中の5'側に位置するギャップには伸長されるように利用できるプライマーがないため、ポリメラーゼによってギャップがフィルインされる可能性はない。本発明の1つの態様において、連結されるDNA分子は、2つの末端DNA分子が相互に連結して環を形成するように選択される(デザインされる)。別の態様において、連結されるDNA分子は、反応混合物中に同様に存在するベクターへ組み入れられるようになるようにデザインされる。あるいは、本発明の1つの態様において、連結される末端DNA分子の5'末端は、5'エキソヌクレアーゼがそれらを消化できないように遮断される。遮断剤は、連結されたDNA分子がベクターへ最終的には連結されうるように、可逆性であることが好ましい。適当な遮断剤が当業者には明らかであろう。これらには、例えば、ホスホロチオエート結合、5'スペーサー分子、ロックされた核酸(LNA)などが含まれる。]
[0098] 非相同配列の除去に関して本明細書の他の箇所で論じられているように、本発明の方法において用いられる耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼは3'エキソヌクレアーゼ(校正)活性を示すことが望ましい。そのような3'エキソヌクレアーゼ活性を有する適当なDNAポリメラーゼのなかには、Phusion(商標)ポリメラーゼ、VENTR(登録商標)ポリメラーゼまたはDeep Ventポリメラーゼ(これは、55℃またはそれ以下で用いられる場合に鎖置換活性を有する)、Pfuポリメラーゼおよび9°Nmポリメラーゼがある。あるいは、3'エキソヌクレアーゼ活性を供与しうる少量の第2の酵素も含めるなら、3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼを用いることもできる。例えば、Taqポリメラーゼ、さらに3'エキソヌクレアーゼ活性を有する上記のポリメラーゼのうちの1つの少量を用いることができる。当業者は所望の量のエキソヌクレアーゼ活性を達成するために、どのくらいの第2の酵素を含めるかを容易に用量決定することができる。]
[0099] 本明細書において用いられる例の多くでは、Phusion(商標)ポリメラーゼが用いられる。このポリメラーゼは、数ある特性の中でも特に、高い忠実度を示すので望ましい。]
[0100] この方法を行うためのキットは、(a)非耐熱性の、5'エキソヌクレアーゼ活性を有する単離された(例えば、実質的に精製された)酵素(例えば、T5エキソヌクレアーゼまたはラムダエキソヌクレアーゼ、しかし好ましくは、T7エキソヌクレアーゼではない); (b) PEG (例えば、約5%の最終濃度のPEG-8000)のような、密集剤; (c) (i)校正3'エキソヌクレアーゼ活性を示す単離された耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、Phusion(商標)もしくはVENTR(登録商標)ポリメラーゼ); または(c) (ii) 3'エキソヌクレアーゼ活性を有する適当に少量のポリメラーゼ(例えば、Phusion(商標)もしくはVENTR(登録商標)ポリメラーゼ)との組み合わせでの、校正3'エキソヌクレアーゼ活性を示さない単離された耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)、および(d) 単離された耐熱性リガーゼ(例えば、TaqDNAリガーゼ)を含むことができる。本発明のキットの他の成分は、pH約7.5の緩衝液(Trisのような)、適当な量のMgCl2、4種類のdNTP、エネルギー源(ATPまたはNADのような)および、任意で、pUCベクターのような、適当なクローニング(アセンブリ)ベクターを含んだ、適当な緩衝溶液を含むことができる。これらの成分は、連結されるDNA分子が加えられる個別容器の中に、単回用に適した量で包装されてもよく; またはそれらの成分は、個別の連結反応に適したアリコットに分注できる、より多くの量で存在してもよい。]
[0101] 例示的なキットは、Tris pH 7.5、MgCl2、4種類のdNTP、DTT、PEG-8000、NAD、T5エキソヌクレアーゼ、Phusion(商標)ポリメラーゼ、Taqリガーゼおよび、任意で、アセンブリベクターの最適化された1.33×混合物を含む。本発明のキットは、成分が安定であるようなコンテナの中に一般に包装され、例えば、それを約-20℃で、凍結保存することができる。]
[0102] 本発明の1つの態様において、アセンブルされるdsDNAまたはssDNA分子(例えば、互いに20塩基だけ重複する60-merのような、オリゴヌクレオチド)のプール5 μLをキットの混合物15 μLと組み合わせて、計20 μLにする。次いでこの混合物を約15〜60分間(例えば、15、30、45または60分間)約45〜60℃で(例えば、約50℃で)インキュベートする。この時間の間にDNA分子はdsDNAの隣接セグメントへアセンブルする。必要なら、キットはpUC 19、pBR322またはBACのような、アセンブリベクター(例えば、クローニングベクター)をさらに含んでもよい。]
[0103] 任意で、本発明のキットは、本方法を行うための説明書、例えば、アセンブルされるオリゴヌクレオチドをデザインするための説明書、および/またはオリゴヌクレオチドのプールを適当な濃度に希釈するための指示書を含んでもよい。例えば、本発明者らは、5 μL中およそ180 fmol/μLの各オリゴヌクレオチドが20塩基の重複を有する60-mer 8つをアセンブルするのに最適であることを見出した。本発明のキットの他の任意選択成分には陽性対照が含まれ、上記例の場合、対照には本発明の方法によってアセンブルすることが実証された20塩基の重複を有する60-mer 8つ、およびpUC19などの、ベクターを含めることができる。キットは、アセンブルされたDNAのクローニングが望ましいなら、大腸菌のような、適当な微生物へアセンブルされた混合物を形質転換するための、ならびに増殖培地(例えば、LB)および適当な選択マーカー(例えば、pUC19の場合、カルベニシリンまたはアンピシリン)を含有する寒天プレート上で形質転換体を選択するための説明書を含むこともできる。キットは、形質転換に適した菌株、エレクトロポレーションのためのパラメータなどに関する説明書を含むこともできる。]
[0104] 一段階の熱サイクル方法
別の局面では、dsDNAまたはssDNA分子を、
(a)二本鎖DNA分子の末端を「チュウバック」して、重複の領域を含む一本鎖突出部を曝露する、dNTPの存在下において機能性の非耐熱性3'エキソヌクレアーゼ;
(b)密集剤;
(c)活性温度未満でポリメラーゼ活性を遮断するように温度感受性の様式で、ある部分に結合された耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼ;
(d) かくして形成されたニックを封着する(核酸連結する)、耐熱性リガーゼ;
(e) dNTP; および
(f) 適当な緩衝液
とともにインキュベートする段階を含む方法を提供する。]
[0105] (a)のエキソヌクレアーゼは高い温度(例えば、75℃)で不活性にされる。該エキソヌクレアーゼはもっと低い温度、例えば、37℃では活性である。]
[0106] (b)のポリメラーゼは37℃〜75℃の活性温度を示すことができ、該ポリメラーゼはこの温度よりも高温で活性でありうる。特定の機構によって束縛されることを望むわけではないが、活性温度未満では不活性化部分がポリメラーゼに結合されたままである。活性温度で、抗体が未結合になり、ポリメラーゼが活性を示す。例えば、75℃で、抗体はポリメラーゼから未結合とされ、ポリメラーゼは活性である。]
[0107] 好ましくは、(c)のリガーゼは75℃またはそれ以上で耐熱性である。リガーゼは75℃またはそれ以上で活性である必要はないが、もっと低い温度で活性であるなら、温度が75℃から下がるとまたは高い方から低い方の温度(例えば、60℃)になると活性が存在するに違いない。]
[0108] 本発明の方法において、成分の混合物が最初に低温で(約30〜45℃、例えば、約37℃で)インキュベートされる場合、エキソヌクレアーゼは活性であり、DNA上にギャップを生じるのに対し、DNAポリメラーゼは抗体またはビオチンのような、結合している阻害部分のそばでの立体的干渉によって不活性である。温度が高温(例えば、65℃超、例えば、約75℃)に上昇されると、エキソヌクレアーゼは不活性にされ、DNAポリメラーゼは、抗体がポリメラーゼから解離するので、活性にされる。温度が約60℃に下げられると、リガーゼが活性となりギャップをフィルインする。]
[0109] 手順全体が「一段階」の反応として(熱サイクル装置内にて、全組換え手順の間に開けられる必要のない、単一の管中で)行われる。1つのそのような手順において、連結されるDNAの混合物を、エキソヌクレアーゼIII、抗体への結合を通じて不活性にされているTaqDNAポリメラーゼ、TaqDNAリガーゼ、dNTPおよびこれらの酵素活性の全てと適合性の緩衝液とともに37℃でインキュベートする。次いで温度を75℃に上昇させる。この温度で、エキソヌクレアーゼIIIは不活性化され、チュウバックされたDNAはアニールし始め、抗体はTaq DNAポリメラーゼから解離し始め、活性化を引き起こす。次いで温度を60℃に低下させて、修復反応(ギャップのフィルインおよびニックの封着)を完了する。]
[0110] 本発明の方法の利点は、特定の方法がdNTPの存在下でエキソヌクレアーゼ活性を可能にするということである。特定の機構によって束縛されることを望むわけではないが、エキソヌクレアーゼIIIの使用はdNTPの存在下においてエキソヌクレアーゼ活性を可能にし、その一方でT4DNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性はdNTPによって遮断される。したがって、エキソヌクレアーゼIIIを使用する場合には、反応を止め、別段階としてdNTPを加える必要がない。]
[0111] 本発明の方法の別の利点は、完全な組換え系として、段階の全てをインビトロで実施できるということである。当技術分野において公知の他の系では、産生されたヌクレオチド断片を修復するために宿主細胞への形質転換を要する。本系では、宿主細胞への形質転換が回避されるようなリガーゼを用いたインビトロでの修復段階を包含する。これは、修復されるヌクレオチドが宿主細胞にとって有毒であり、かくして、形質転換を起こせないなら特に有用である。]
[0112] 本発明の方法の別の利点は、産生されたヌクレオチドにおいて5'および3'突出部が修復されるということである。他の等温の一段階の方法では、5'および3'突出部を修復することを必要としない。]
[0113] 本発明の別の局面は、単一のコンテナ中に、
dsDNA分子またはssDNAオリゴヌクレオチドおよび必要なら、dNTP、密集剤、ならびに必要に応じて緩衝液が混合物の内容物に加えられ、37℃で約2分から10分間、その後75℃で10〜40分間、その後60℃で30分から2時間インキュベートされる場合に、DNA分子がアセンブルされるような適当な量で、
(a) dNTPの存在下において機能性の非耐熱性3' (3'から5'方向の)エキソヌクレアーゼ、
(b) 密集剤、
(c)活性温度未満でポリメラーゼ活性を遮断するように温度感受性の様式で化学的部分に結合された耐熱性の、非鎖置換DNAポリメラーゼ、および
(d) 耐熱性リガーゼ、および任意で
(e) dNTP、ならびに
(f) 適当な緩衝液
を含む、各対の第1のDNA分子の遠位領域および第2のDNA分子の近位領域が配列同一性の固有領域を共有する、関心対象の2つまたはそれ以上の二本鎖(ds) DNA分子のインビトロでの連結のためのキットである。本発明のキットは、例えば、約-20℃で、凍結保存することができる。]
[0114] この局面の態様において、段階(c)でインキュベーション段階は37℃で5分、その後75℃で20分、その後60℃で1時間であることができる。]
[0115] 種々の3'→5'の二本鎖特異的なエキソデオキシリボヌクレアーゼのいずれかを用いて、本発明の方法においてDNA分子の末端をチュウバックすることができる。「3'エキソヌクレアーゼ」という用語は、3'→5'のエキソデオキシリボヌクレアーゼをいう。適当なエキソヌクレアーゼが当業者には明らかであろう。これらには、例えば、エキソヌクレアーゼIIIが含まれる。本発明の1つの態様において、エキソヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼIIIである。本発明の方法において利用されるエキソヌクレアーゼおよび他の酵素を調製および使用するための方法は、従来のものであり、多くのものはUSB Corporation, 26111 Miles Road, Cleveland, Ohio 44128、またはNew England Biolabs, Inc. (NEB), 240 County Road, Ipswich, MA 01938-2723のような、商業的供給源から入手可能である。]
[0116] 好ましくは一段階の熱サイクル方法において、3'エキソヌクレアーゼはポリメラーゼとして活性ではない。]
[0117] 最適化のための組み合わせ方法
好ましい態様において、本発明の等温方法は、核酸分子全体の特性を改変するために、例えば、核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現、機能、活性、収量などを最適化するために用いることができる。本明細書において記述される組み合わせ方法は、所望の結果を求めてスクリーニングできる多数の可能性のある核酸配列を提供する。代替的な態様において、核酸は他のDNAまたはRNA産物、例えば、宿主細胞内での別の産物の収量を低減するために用いられるアンチセンスRNAを提供することができよう。組み合わせ手法の結果は、天然には見られない所望の産物を提供することであり、または天然産物の改善もしくは最適化である。最適化された産物は合成成分、改変もしくは再編成された天然成分、または天然および合成成分の組み合わせであることができる。当業者は、本明細書において記述される組み合わせ方法の複数のさらなる用途を想定することができよう。]
[0118] 組換えが行われる段階がどうであれ、中間体産物は、典型的には発現され、かつ収量および、コドン最適化以外の態様では、活性について試験されるタンパク質をコードする核酸の混合物である。したがって、典型的には核酸の混合物には、制御配列、特にプロモーターおよび終結シグナルを含んだ発現系への核酸の挿入を可能にする制限部位または重複部分が付いている。制御配列の選択は、もちろん、発現が行われる宿主に依る。また、任意の特定の対象宿主に最適な制御配列は、プロモーター、エンハンサーおよび終結配列のような多数の制御配列を含んだ適切なライブラリを構築することによって、ならびに制御配列の最も好ましいアセンブリが特定されうる多数の遺伝子にてアセンブルされることによって判定することもできる。好都合な宿主には大腸菌、他の細菌系および酵母ならびに他の単細胞菌類が含まれる。哺乳類宿主細胞または昆虫宿主細胞も、植物細胞と同様に、使用することができよう。試験用の宿主の選択は、実験的な選好の問題であり、これらの宿主の全てに対する発現制御が周知である。]
[0119] コード配列を発現系へ挿入するために混合物を処理したら、これを用いて適切な細胞にトランスフェクトし、これを希釈し培養する。所望の終点に応じて、培養物のタンパク質活性、収量または代謝活性を、最高値を有する培養物かどうか評価する。次いで核酸をこの培養物から回収し、望ましい配列として配列決定するかまたは別の方法で特定する。最適化のレベル、すなわち、コドン用法、個々のタンパク質の最適化、代謝経路の最適化または遺伝子合成に応じて、最適な成分をアセンブルすることにより次の組み合わせ段階を達成することができる。]
[0120] この工程を行うために、上記のインビトロでのアセンブリの方法を用いることができる。さらに、上記のように、この工程を行うために、インビボでのアセンブリの方法を用いることができる。さらに、この工程を行うために、インビトロでのおよびインビボでのアセンブリの組み合わせを用いることができる。]
[0121] しかしながら、さまざまな組換え系に関して、核酸構築の初期段階はその成分が異なる。]
[0122] コドン最適化のため、図7Aに示される通り、コード配列をアセンブルするために用いられる各核酸中のコドンを変化させることによって図中に示されるようにコード配列を構築する。図7Aに示される通り、ロイシン、バリン、グリシンおよびアラニンを含むタンパク質を、これらの個々のアミノ酸に対するコドンが変えられる個々の断片からアセンブルする。適当な重複セグメントにより、図7Aに示されるヌクレオチドの全てを含む混合物を、上記のように単一の反応混合物中にて正しい順序でアセンブルすることができる。完全長のコード配列が得られるであろう。必要なら、発現ベクターを混合物に加えて、この段階で自動的に制御配列を提供することもできる。発現制御がさらに備わっているアセンブルされたコード配列を、必要なら、次いで宿主細胞へトランスフェクトし、個々に培養し、標準的なタンパク質定量法を用いてタンパク質のレベルを評価する。最高レベルのタンパク質産生を有するコロニーを、その発現系を抽出し配列決定して、最適なコドンセットを特定することにより分析する。]
[0123] 一般に、最高レベルの産生または活性がいわれているとはいえ、いずれの場合にも厳密に最高値を選択する必要はないことを理解されたい。さまざまな理由で、これらの特徴の満足のいくレベルのものを単に選択することで十分かもしれない。]
[0124] さらに詳細には、タンパク質の産生のためコドン用法を最適化するヌクレオチド配列を特定する方法は、少なくとも以下の段階(a)〜(e)を含む。段階(a)では、タンパク質の部分にコードされるアミノ酸に対するコドンの縮重形態を含んだ該部分をコードするオリゴマーであって、重複配列を有する隣接コード配列を提供するように伸長される該オリゴマーを提供する。段階(b)では、オリゴマーを処理して、タンパク質に対するコード配列のアセンブリをもたらす。再アセンブルされたタンパク質を、その発現をもたらすために制御配列に機能的に連結されている発現系の中に含める。段階(c)では、発現系を適合性宿主細胞の培養物にトランスフェクトする。段階(d)では、形質転換された宿主細胞から得られたコロニーをタンパク質の産生のレベルについて試験する。段階(e)では、最も高いまたは満足のいくタンパク質産生を有する少なくとも1つのコロニーを発現系から得る。タンパク質をコードする発現系の部分の配列を決定する。]
[0125] 制御配列を最適化する態様の場合、多数の発現系を含んだライブラリの構築において1つまたは複数のコード配列を用いる。発現系へアセンブルされる成分には、種々のプロモーター、エンハンサー、終結配列などが含まれ、その選択は対象とする組換え宿主の性質に依るであろう。この場合もやはり、成分に重複配列を供与して、正しい順序でのアセンブリを確実にする。任意のインビトロでのアセンブリ法を用いて、異なる制御配列を有する種々の遺伝子を獲得し、これを宿主細胞へトランスフェクトし、個別に培養して、タンパク質産生のレベルを判定する。]
[0126] さらに詳細には、発現のために最適な制御配列を有する遺伝子を構築するため、本方法は少なくとも以下の段階(a)〜(e)を含む。段階(a)では、多数のプロモーター、エンハンサーおよび終結配列に対応するオリゴマー、ならびにタンパク質に対するコード化配列を含むオリゴマーを提供する。段階(b)では、タンパク質に対する遺伝子のアセンブリに影響を与えるオリゴマーを処理する。段階(c)では、得られた遺伝子を適合性宿主細胞の培養物にトランスフェクトする。段階(d)では、形質転換された宿主細胞から得られたコロニーをタンパク質の産生のレベルについて試験する。段階(e)では、最も高いまたは満足のいくタンパク質産生のレベルを有する少なくともコロニーから遺伝子を得る。タンパク質をコードするヌクレオチド配列と結び付いている制御配列の配列を決定する。]
[0127] 図7Bに示された、次の段階では、所与の活性のタンパク質のいくつかの変種のコード配列をモチーフおよびドメインについて評価する。示されているモチーフおよびドメインのそれぞれをコードする核酸配列を次いで、個別に合成し、適当な重複配列を供与して正しい順序のアセンブリをもたらす。これらの合成配列を次に、制御配列を与えるためにベクターを任意で含んでもよい、コドン最適化に関して上述したものに類似の核酸連結混合物の中に供与し、得られた発現系を宿主細胞へトランスフェクトし、活性および/または収量について試験する。]
[0128] 所望の活性を有するタンパク質の最適化形態をコードするヌクレオチド配列を特定するため、本方法は以下の段階(a)〜(f)を含む。段階(a)では、タンパク質の一連の変種に含まれたドメインおよびモチーフを特定する。段階(b)では、変種由来のドメインおよびモチーフのそれぞれをコードするオリゴマーを提供する。段階(c)では、混合物を処理して、タンパク質をコードする配列へのアセンブリをもたらす。機能的に連結された発現用の制御配列を有するコード配列を与えるようにアセンブリを行って、発現系の混合物を得る。段階(d)では、発現系を適合性宿主細胞の培養物に形質転換する。段階(e)では、細胞から得たコロニーを、産生されたタンパク質の活性について試験する。段階(f)では、最も高いまたは満足のいく活性レベルのタンパク質を産生する少なくともコロニーから発現系を単離する。前記のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を次いで特定する。]
[0129] 図7Cに示した、次の段階では、代謝経路に関与するタンパク質の変種を上記のように、個別に合成し、混合し、適合し、代謝産物の産生について試験する。それらの経路を単一のベクター上にアセンブルしてもよく、または複数のベクターを連続的な形質転換に用いてもよい。変種は、異なる種由来のタンパク質をコードする遺伝子の上流プロモーター要素および合成により作製された上流プロモーター要素を含むことができる。]
[0130] 最後に、1つの態様において、所望の代謝経路および/または遺伝子のアセンブリを、類似の手法を用いて完全なゲノムへ組み合わせ的にアセンブルすることができる。Gibson, et al., Science (2008) 319:1215-1220に記述されるように、細菌ゲノム全体をインビトロ法およびインビボ法の組み合わせによってアセンブルすることができる。このように最小のゲノムをアセンブルすることもできる。]
[0131] 1つの態様において、経路全体を適切なリンカーによりアセンブルして、ゲノム全体を構築することができる。アセンブリおよび試験のための方法は、上記のものと同様である。いくつかのDNA片のアセンブリが、単一温度で機能する単一反応にて行われるので、反応を高度に平行に行って、染色体全体を、段階的に、構築することが可能である。経路の変種を全て、細菌人工染色体(BAC)ベクター、または大きな核酸の操作に有用な任意の他のベクターへクローニングすることができる。]
[0132] 代謝経路を最適化するため、本方法は、最適化される経路中の各酵素の変種をコードする核酸分子を構築する段階を含む。コード配列の全てを各異なる経路に対する単一のベクター上に重複配列に関する上記の技法を用いてアセンブルすることができ、または経路の各成員に対する独立したベクターを、連続的な形質転換混合物の中に各成員に対するベクターを混合することによって利用することができる。経路中の酵素の発現をもたらす制御配列を供与する。最適化される経路がもたらす好ましい特徴について培養物に由来するコロニーを評価し、功を奏したコロニーの発現系を配列決定する。]
[0133] 最適なまたは最小のゲノムの構築は、代謝経路アセンブリの組み合わせに単に基づく必要はない。個々の遺伝子を同じような方法でアセンブルすることもでき、または個々の遺伝子および代謝経路の組み合わせをそのようにアセンブルすることができる。代謝経路に対する1つまたは複数の遺伝子の必要性を判定するため、これらのそれぞれをアセンブリから系統的に取り除くことができよう。]
[0134] 上記の方法の全てにおいて、DNA分子は、記述する段階の一部または全部でロボットシステムを用いてアセンブルすることができる。いかなる段階でも、インビトロでのまたはインビボでのいずれかの方法を用いることができる。ゲノム全体のアセンブリが望ましいかもしれない。Gibsonらにより記述されている技法を用いて、20〜500kbの染色体を上記のように組み合わせ的な様式で構築することができる。完全な最適化された代謝経路を生ずるヌクレオチド配列のアセンブリの場合、これらの系の最適な組み合わせを評価する。]
[0135] 上記の工程は推定的に望ましい要素の事前選択なしに、最初から行われてもよく、または配列データベースからの、完成ゲノムを含む全ての利用可能な配列ライブラリおよび環境ライブラリからの経路遺伝子のそれぞれに適した変種遺伝子の選択を含んでもよい。コンピュータによる手法を用いて、多くの選択候補から最も可能性の高い候補を選択することができる。1つのコンビナトリアルライブラリでの結果は、所望の産物のさらに良好な産生を与えうる同一経路に対する次なるライブラリをデザインするのに役立つかもしれない。]
[0136] 選択された産生宿主細胞における発現に最適なコドン用法をコンピュータによる方法に基づいてデザインし、上記のように試験することもできる。]
[0137] 上述のように、転写プロモーターかつターミネーター、およびタンパク質合成の開始のための適切なシグナル、ならびに経路中の各遺伝子間の接合におよびアセンブルされた経路をクローニングベクターに連結するのに特異的な適当なリンカー配列を含め、適切な調節シグナルを、選択した産生宿主用に付加する。]
[0138] アセンブリ全体に向けた個々のオリゴヌクレオチドの最適なサイズおよび重複をデザインすることもできる。デザインツールは、最初の経路デザインを助けるためのおよび最後の配列デザインを見るためのグラフィカル・インターフェースを含む。コンビナトリアルライブラリの場合には、各成分遺伝子上での一回のマウスクリックでライブラリ内の任意の個々の染色体を呼び出すかつ見ることを可能とすべきである。]
[0139] 説明のため、経路のアセンブリに関して、1200 bpの平均遺伝子サイズおよび60ヌクレオチドの平均オリゴヌクレオチドサイズと仮定すれば、遺伝子と比べて小さい制御要素を除いて、およそ1200×9×10×2/60 = 3,600個のオリゴヌクレオチドが9種の遺伝子経路の構築には必要である。オリゴヌクレオチドはDNAの両鎖を網羅しなければならないので、2の倍数となる。オリゴヌクレオチドは12社余りの供給源のいずれかより購入されてもよく、または自動合成されてもよい。96ウェルのオリゴヌクレオチドトレイの中に供給されているオリゴヌクレオチドを、アセンブリトレイ中の各ウェルが配列中8つの隣接オリゴヌクレオチドを含むように96ウェルアセンブリ反応トレイの中にロボット制御で分注する。次にトレイの数を最初のアセンブリ段階で約36個のオリゴヌクレオチドトレイからおよそ5個のアセンブリトレイに至るまで減らすことができよう。融解されたアセンブリ反応混合物(これは9番目のDNA片としてクローニングベクターを既に含む)のアリコット15 μlを各ウェルに移す。次にトレイを50℃で20分間インキュベートする。各ウェル中のアセンブリ産物は、環を形成するようにベクターDNAへ挿入された8つのアセンブル済のオリゴヌクレオチドからなる。各ウェルのアリコットを一緒にプールし、クローニングし、配列決定する。次のアセンブリ段階のため正しいクローンを5つのトレイへ移入し戻す。アセンブリが小さい場合にはアセンブリの第一段階で前もって配列決定することにより、オリゴヌクレオチドの誤りが取り除かれ、その後のアセンブリは全て正しい配列を概ね有するであろう。]
[0140] 1つのアセンブリ段階から次へ進むため、アセンブリを高忠実度PCRによってベクターから「取り出し」、アリコットを次のアセンブリ反応用の次セットのトレイに分注する。]
[0141] 単一のトレイが9種の遺伝子のそれぞれの10種の変種を含むまでアセンブリを続ける。9種の遺伝子およびその変種を次いで、BACベクターへクローニングされた9種の遺伝子経路の109の異なる組み合わせのライブラリを結果的に生ずる最終のアセンブリ反応にプールする。このコンビナトリアルライブラリを適切な宿主細胞へ形質転換し、個々のクローンを産物の収量などについてスクリーニングする。]
[0142] 本発明はこのように、上記の最適化された成分を用いることによってゲノム全体をアセンブルする方法を提供する。上述のように、ゲノム「全体」とは最小のゲノムであってよく、その性質は上記引用のPCT刊行物に記述されているように判定可能であり、または所望とされるライブラリのうちのある種の特定された成分だけを選択することによって自由裁量で判定されてもよい。ライブラリ成分は個々の遺伝子、代謝経路に準じた個々の遺伝子のアセンブリ、別の形で組織化されている遺伝子のアセンブリ、または個々の遺伝子およびその組織化された系の組み合わせであることができる。それらの成分は本明細書において記述のように実際に最適化されることが望ましいが、これは必要条件ではない。個々の遺伝子および/または遺伝子のアセンブリのライブラリ、それらの一部または全部をモチーフ変種に関して最適化することができ、ゲノムアセンブリにおいて制御配列および/またはコドン用法を用いることができる。]
[0143] 以下の例において、全ての温度は未補正の摂氏温度で記載されており、他に指定のない限り、全ての部分および割合は重量によるものである。]
[0144] 実施例I
熱サイクルエキソヌクレアーゼIII一段階アセンブリ系のプロトコル
以下のように単離された非耐熱性3'→5'エキソヌクレアーゼおよび単離された、熱で活性化されるDNAポリメラーゼの使用に基づいて熱サイクル一段階アセンブリを開発した。氷上、以下を含有する0.2 mlPCR管中にて反応液をセットアップした:アセンブルされる各基質DNA 100 ng、4×CBAR緩衝液20 μl、エキソヌクレアーゼIII (4 U/μl, NEB) 0.7 μl、TaqDNAリガーゼ(40 U/μl, NEB) 8.0 μl、AmpliTaq(登録商標) Gold (5 U/μl, Applied Biosystems) 0.5 μlおよび水80 μlまで。4×CBAR (Chew-back, Anneal, and Repair;チュウバック、アニールおよび修復)緩衝液は20% PEG-8000、600 mM Tris-Cl、40 mM MgCl2、40 mM DTT、4 mMNADおよび800 μM 各dNTP (pH 7.5)であった。]
[0145] これにより、1.25 ng/μlのアセンブルされた各DNA、5% PEG-8000、150 mM Tris-Cl pH 7.5、10 mM MgCl2、10 mM DTT、200 μM各dNTP、1 mMNAD、0.035 U/μlのエキソヌクレアーゼIII、4 U/μlのTaqDNAリガーゼ、および0.03 U/μlのAmpliTaq(登録商標) Goldの最終濃度が得られた。]
[0146] 基質DNA 100 ngは、長さが5kb〜8 kbの断片では理想的であることが分かった。より大きなアセンブリの場合、DNAの量を増やした(例えば、長さが20 kb〜32 kbの断片の場合、各基質400 ngを用いた)。基質DNAが反応容量の半分以上を占めないように注意を払った。これでは反応を阻害することが分かったからである。エキソヌクレアーゼIIIは100 U/μlのエキソヌクレアーゼIII濃縮酵素ストック液から1:25希釈(エキソヌクレアーゼIII貯蔵用緩衝液中)として用いた。]
[0147] 反応液を熱サイクル器に加え、以下の条件を用いてアセンブリを行った: 5分間37℃(チュウバックは40〜80 bpだけ重複する基質の場合37℃で少なくとも5分間、および300〜500 bpだけ重複する基質の場合15分間とした)、20分間75℃(エキソIIIの熱不活性化)、0.1℃/秒で60℃まで冷却(アニーリング)、1時間60℃(修復)、その後、4℃で保持。]
[0148] これらの段階は図4Aに概略されている。このプロトコルから得られた結果は、この方法がT4DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼおよびTaqDNAリガーゼによる二段階の工程と全く同じ働きをし、全く同じ利点を有し、線状または環状DNAをアセンブルするために使用できることを示している。]
[0149] 実施例II
核酸に対する等温T5エキソヌクレアーゼ一段階アセンブリのプロトコル
以下のように単離された3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く非耐熱性5'→3'エキソヌクレアーゼの使用に基づいて等温一段階アセンブリを開発した。以下を含有する反応液をセットアップした:アセンブルされる100 fmolの各dsDNA基質または3.6 pmolの各ssDNA、5×ISO緩衝液16 μl、T5エキソヌクレアーゼ(0.2 U/μl, Epicentre) 16 μl、TaqDNAリガーゼ(40 U/μl, NEB) 8.0 μl、Phusion(商標)DNAポリメラーゼ(2 U/μl, NEB) 1.0 μlおよび水80 μlまで。5×ISO (ISOthermal; 等温)緩衝液は25% PEG-8000、500 mM Tris-Cl、50 mM MgCl2、50 mM DTT、5 mMNADおよび1000 μM各dNTP (pH 7.5)であった。]
[0150] これにより、1.25 fmol/μlのアセンブルされた各dsDNA (または45 fmol/μlの各ssDNA)、5% PEG-8000、100 mM Tris-Cl pH 7.5、10 mM MgCl2、10 mM DTT、200 μM各dNTP、1 mMNAD、0.02 U/μlのT5エキソヌクレアーゼ、4 U/μlのTaqDNAリガーゼ、および0.03 U/μlのPhusion(商標)DNAポリメラーゼの最終濃度が得られた。]
[0151] 20〜80 bpだけ重複する基質の場合には0.2 U/μlのT5エキソヌクレアーゼ1.64 μlを方法で用い、さらに長い重複(例えば、200 bp)を有する基質の場合には、1 U/μlのT5エキソヌクレアーゼ1.6 μlを用いた。T5エキソヌクレアーゼは10 U/μlのT5エキソヌクレアーゼ(Epicentre)濃縮酵素ストック液から1:50希釈(T5エキソヌクレアーゼ貯蔵用緩衝液中)として用いた。]
[0152] 次いで反応液を15分間50℃でインキュベートした。]
[0153] これらの段階は図5Aに概略されている。大きなdsDNA分子を合成するための費用の大部分は、オリゴヌクレオチドの費用からのものである。オリゴヌクレオチドを作製する費用が下がれば、本発明の方法を用いてオリゴヌクレオチドから大きなDNA分子をアセンブルするための費用も下がるであろう。]
[0154] 実施例III
一本鎖核酸に対する等温T5エキソヌクレアーゼ一段階アセンブリのプロトコル
A.オリゴヌクレオチドアセンブリ混合物の調製
全キット中の混合物は一つの例外、つまりベクターの有無を除いて同じ成分を含む。ベクターがない場合、水を代わりとした。本発明の方法は、長期貯蔵のためにキット中にまとめられた同一のアセンブリ混合物および緩衝液の迅速かつ簡単な使用を可能にする。]
[0155] オリゴヌクレオチドアセンブリ混合物の調製物(計120 μl容量の場合)は、5×ISO緩衝液32 μl、10 U/μlのT5エキソヌクレアーゼ(Epicentre) 0.064 μl、2 U/μlのPhusion(商標)ポリメラーゼ(NEB) 2 μl、40 U/μlのTaqリガーゼ(NEB) 16 μl、200 ng/μlのpUC19アセンブリベクター2 μlおよび水67.94 μlを含む。次いでアセンブリ混合物を-20℃で貯蔵した。]
[0156] 5×ISO緩衝液の調製物(計6 ml容量の場合)は、以下を含む: 1 M Tris-Cl pH 7.5 (最終0.5 M) 3 ml、2 M MgCl2 (最終50 mM) 150 μl、各100 mM dGTP、dATP、dTTP、dCTP (最終各1 mM) 60 μl、1 M DTT (最終50 mM) 300 μl、PEG-8000 (最終25%) 1.5 g、0.1 MNAD(最終5 mM) 300 μlおよび水6 mlまで。括弧内の濃度は5×ISO緩衝液中の最終濃度をいう。]
[0157] オリゴヌクレオチドアセンブリ混合物中(最終容量20 μlに15 μlを加えたので混合物は1.33×である)の全成分の最終濃度は、次の通りであった: 133.33 mM Tris-Cl (pH 7.5)、13.33 mM MgCl2、266.67 μM dGTP、266.67 μM dATP、266.67 μM dTTP、266.67 μM dCTP、13.33 mM DTT、6.67% PEG-8000、1.33 mMNAD、5.33 U/mlのT5エキソヌクレアーゼ(Epicentre)、33.33 U/mlのPhusion(商標)ポリメラーゼ(NEB)、5.33 U/μlのTaqリガーゼ(NEB)および3.33 ng/μlのpUC19アセンブリベクター。]
[0158] 1.33×濃度の、上記キットは、少なくとも12ヶ月間、凍結保存することができる。これは、活性を失うことなく少なくとも10サイクルの凍結融解に供することができる。]
[0159] B. pCC1BACへ挿入された16.5kbの最終産物を形成させるためのオリゴヌクレオチドのアセンブリ
本実施例はssDNAオリゴヌクレオチドのアセンブリを示すが、dsDNAをアセンブルするために同じ条件および試薬マスターミックスを用いることができる。例えば、ここに詳細に示すアセンブリの第1段階では、8つの一本鎖オリゴヌクレオチドをアセンブルして、約300 bpの二本鎖分子を作製する。300 bpのDNAをアセンブルしてより大きな分子を作製する次の段階、およびそれらの分子をアセンブルしてさらに大きな分子を作製する後続の段階は、本実施例に示したのと同じ試薬マスターミックスを用いることで達成することができる。]
[0160] 本実施例では4段階のアセンブリスキームについて記述する。しかし、本発明の別の態様において、25〜75個のセグメントを一度にアセンブルすることができる。その態様において、段階の数は、例えばたった2段階にまで、大幅に減らされる。]
[0161] 第1ラウンドのアセンブリのため、20塩基だけ互いに重複し、かつアセンブルされる公知のDNAにおいて互いに隣接した8つの60 nt (60-mer)のssDNAオリゴヌクレオチドの混合物(プール)を、5 μlの最終容量中に180 fmol/μlの各オリゴヌクレオチドが存在するように希釈する。この濃度は本発明者らにより、20 ntの重複を有する60-mer 8つのアセンブリに最適であると判定された。上記の1.33×マスターミックス15 μlをオリゴヌクレオチド5 μlに加え、15〜60分間50℃でインキュベートして300 bpのdsDNA分子の近接セグメントを形成させる。pUC19ベクターがアセンブリ混合物の中に存在しており、したがって300 bpの分子はベクターへ挿入される。]
[0162] アセンブリの後、アセンブルされた分子を適当な大腸菌宿主へ形質転換し、アンピシリンを選択マーカーとして用いpUC19クローンを選択する。一般的に、クローンを配列決定して、アセンブルされた分子が正しいことを確認する。現在のところ、オリゴヌクレオチドを合成するための方法が的確ではないので、正しくない配列のバックグラウンドが生ずる。誤りを修正するための方法、またはオリゴヌクレオチドを合成するさらに良好な方法によって、この配列決定による確認の必要はなくなるものと期待される。例えば、誤りを修正する酵素または試薬が本発明のアセンブリ反応に加えられてもよく、またはその反応のなかに含まれてもよい。あるいは、アセンブルされたDNA分子をクローニングする代わりに、それらをPCRによって直接増幅し、次いで配列決定して正確さを確認してもよい。]
[0163] 合成されるDNA分子の異なる部分からの、60-mer 8つのさらに74プールを同様にアセンブルする。計600のこれらの60-merを、300 bpのdsDNA分子のコレクションへとアセンブルし、後続のラウンドのアセンブリにおいて、300-merをPCR増幅しアセンブルして、1,180 bpのdsDNAを形成させ、これを順にPCR増幅しアセンブルして、5,560-merを形成させ、これを最終的にアセンブルして、16,520 bpのdsDNA分子を形成させる。次いでこの分子を(PCRによって、または大きな分子を増幅するのにもっと効果的な方法、ローリングサークル増幅(RCA)によって)増幅し、(例えば、BACベクターへ)クローニングし、配列決定して、アセンブリが正確であったことを確認する。]
[0164] 本実施例では、挿入断片をアセンブルするためにクローニングベクターを用いる。しかしながら、例えばインビトロでの増幅方法(例えば、PCRまたはRCA)が用いられることになるため、より多くのDNA分子を産生するのに宿主生物へのクローニングが必要とされないなら、クローニングベクターは存在しなくてもよい。しかしながら、場合によって挿入断片に環を形成させることが有利なこともありうる。これは、不完全なアセンブリ産物(これは線状である)がエキソヌクレアーゼによって完全なアセンブリ産物から除去されることを可能にするであろう(環はエキソヌクレアーゼ活性に耐性であるが、不完全なアセンブリ産物はそうではなかろう)。これは、DNAのインビトロでの増幅方法(例えば、PCRまたはRCA)が不完全なアセンブリ産物によって阻害されるなら、重要でありうる。]
[0165] C.アセンブルされるオリゴヌクレオチドの5'および3'末端でのユニバーサルプライマー結合配列の使用
アセンブルされたオリゴヌクレオチドのPCR増幅を補助するため、アセンブリのラウンドのそれぞれにおいて、アセンブルされ(ssDNAオリゴヌクレオチドから)増幅されるセグメントの各末端に結合ドメイン(部位)を含めることが有利でありうる。これらのドメインをデザインし、オリゴヌクレオチド(例えば、構築中のセグメントのフランキング領域で終わるオリゴヌクレオチド)のいくつかへその合成中に導入することができる。4つのプライマー結合ドメインが示されている例示的なdsDNAセグメントは、DNA分子に隣接する。後続のラウンドの増幅およびアセンブリにおいて、DNAは、適当なドメインに対応する「ユニバーサルプライマー」を用いてPCR増幅され、それにより増幅される各DNAを増幅するための別個のプライマーをデザインする必要性をなくすことができる。必要なら、制限酵素部位(希有な切断酵素PmlI、SbfI、AscIまたはNotIなどの)を、プライマー結合ドメインの間に位置するように遺伝子操作することもできる。これらの部位はプライマー結合部位の切断を容易にすることができる。]
[0166] 本発明の方法の1つの利点は、反応中の3'エキソヌクレアーゼ活性の存在(これは、例えばPhusion(商標)ポリメラーゼの校正活性によって、供与されうる)が、結合ドメインの全てを、これらが増幅されているDNAに相同ではない一本鎖DNAとして存在するため、除去しうるということである。ベクターへアセンブルされるオリゴヌクレオチドは、60-merの代わりに40-merでありうる。40-merでは、ギャップがないであろう。アセンブルされるオリゴヌクレオチドは、非常に大きくてもよい(例えば、数百塩基)。さらに、ベクターへアセンブルされるオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドのプール(例えば、4,000またはそれ以上のオリゴヌクレオチドを含有するマイクロチップ。マイクロチップはオリゴヌクレオチドを得るのに費用のかからない方法として役立ちうる)に由来することもできる。クローニングベクターは必ずしも環状のもの(本図中ではpUC19で示されている)である必要はない。むしろ、それは2腕を有する線状ベクター(例えば、LucigenのpJAZZ-KA線状ベクター系)であってよい。線状ベクターは過剰のオリゴヌクレオチドをDNA鎖状体化(concatamerization)の発生なくアセンブルするのに有利でありうる(DNA鎖状体化は、2つまたはそれ以上のセットのアセンブルされた断片を含有する単一のクローンをもたらすであろう。それゆえ、これは、所望でありうる純粋なクローンではないであろう)。クローニングされたオリゴヌクレオチドを大腸菌へ形質転換することができる。正しいアセンブリを含んだ個々のクローンを、DNA配列決定のような技法によって特定することができる。]
[0167] D. 自動化による大きな分子のアセンブリ
本実施例に示したこの方法は、自動化に容易に適応できる。(1)オリゴヌクレオチドをベクターへ最初にクローニングする。現在のところ、不完全な合成法のため、オリゴヌクレオチドのなかには誤りを含むものもあり、したがって最初のクローンを配列決定して、それらが正しいことを確認しなければならないと予想される。最初のクローンは大腸菌または単一分子PCR由来であってよい。本発明の1つの態様において、誤り修正法を利用してそのような誤りを修正する; これによって、DNA配列決定を行う必要性がなくなり、配列決定の結果を待たなくても後続のラウンドのアセンブリを行うことが可能になる。(2)DNA分子をアセンブルする。(3) アセンブルされたDNAをPCRまたはRCAによって増幅する。(4) これらのDNAをアセンブルする。(5) アセンブルされたDNAをPCRまたはRCAによって増幅する。(6) 完全な分子がアセンブルされるまで、これらのサイクルを続ける。RCAは、PCRによって可能であるよりも大きな分子の増幅を可能にし、したがってRCAはさらに大片のアセンブリ段階に好ましいことに留意されたい。宿主生物へクローニングすることおよびアセンブルされた断片のより多くのものを作製すること、次にアセンブルされた断片を無傷のまま放出できる制限酵素で消化することは、PCRまたはRCAと同等であろう。]
[0168] 実施例IV
各種インビトロでの方法を用いたサイズが数百キロベースのDNA分子のアセンブリ
本実施例では、図1A (T4 polを用いた二段階の熱サイクルアセンブリ)、図4A (ExoIIIを用いた一段階の熱サイクルアセンブリ)および図5A (T5 exoを用いた一段階の等温アセンブリ)に示されている3つのアセンブリ法を比較する。一段階の等温アセンブリは、インビトロでのアセンブリ法において好ましいものであることが分かった。]
[0169] 方法1:二段階の熱サイクルアセンブリ(T4 polを用いた)
4×チュウバックおよびアニール(CBA)反応緩衝液(20% PEG-8000、800 mM Tris-HCl pH 7.5、40 mM MgCl2、4 mM DTT)を熱サイクルDNAアセンブリに用いた。4×CBA緩衝液5 μl、10 mg/mlのBSA (NEB) 0.2 μlおよび3 U/μlのT4 pol (NEB) 0.4 μlからなる反応液20 μl中でDNA分子をアセンブルした。T7 polをT4 polの代わりに用いることができる。各およそ6kbのDNAセグメント約10〜100 ngを等モル量で加えた。より長いDNAセグメントの場合、次第に増やしながら比例した量のDNAを加えた(例えば、各150 kbのDNAセグメント250 ng)。アセンブリ反応液を0.2 mlPCR管中で調製し、次のように熱サイクルさせた: 0〜18分まで37℃、20分間75℃、0.1℃/秒で60℃まで冷却、30分間60℃で保持、その後0.1℃/秒の速度で4℃まで冷却。一般に、80 bp未満の重複の場合にはチュウバック時間5分を用い、80 bpを超える重複の場合には15分を用いる。CBA反応液10 μlを次いで、5.83% PEG-8000、11.7 mM MgCl2、15.1 mM DTT、311 μMの各4種のdNTPおよび1.55 mMNAD+からなるTaq修復緩衝液(TRB) 25.75 μlに加えた。40 U/μlのTaq lig (NEB) 4 μlおよび5 U/μlのTaq pol (NEB) 0.25 μlを加え、反応液を15分間45℃でインキュベートした。T4 polフィルインアセンブリ法の場合、CBA反応液10 μlを10 mM dNTP 0.2 μlおよび3 U/μlのT4 pol 0.2 μlと混合する。この反応を30分間37℃で行った。]
[0170] 結果: 段階1:チュウバックおよびアニール。重複DNA分子をアセンブルするための先行技術の2段階インビトロ組換え方法では、ssDNA突出部を作製するためにT4DNAポリメラーゼ(T4 pol)の3'エキソヌクレアーゼ活性、およびアニールされた連結部を修復するためにTaq DNAポリメラーゼ(Taq pol)とTaqDNAリガーゼ(Taq lig)との組み合わせを利用している。この反応の動力学をよりよく理解するため、各およそ6kbの、かつおよそ300 bpだけ重複する8つのDNA分子を最大18分間まで37℃でT4 polに曝露した。サンプルを2分ごとに取り出し、アニールさせた。10分のエキソヌクレアーゼ反応の後、投入DNAの大部分がアニールされ、予想されるおよそ48 kbの全長産物を認めた。これらの反応では、巨大分子の密集を誘導する試薬PEG-8000の存在を必要とする(図1B参照)。]
[0171] 300 bpよりも著しく小さい重複でDNA分子をアセンブルすることは、いくつかの利点を有するであろう。合成DNA断片が連結される場合、より小さな重複によって合成の全費用が減るであろう。さらに、小さな重複はPCRプライマーに付加することもできる。これらの理由で、40 bpの重複しか持たないDNA分子をアセンブルできるかどうかについて判定した。長さが各5kbの、かつ40 bpだけ重複する4つのDNA分子を用いて図1A中のアセンブリ反応を行った。T4 polへの2分の曝露後、4つのDNA分子全てが完全長の20 kb産物へ効率的にアセンブルされた(図1C)。]
[0172] 本方法によって著しく大きなDNA分子を連結できるかどうかについて次に判定した。257 bpの重複を有する、合成M.ゲニタリウムゲノムの1/4分子2つC25-49 (144kb)およびC50-77 (166 kb)を15分間T4 polと反応させ、アニールさせ、次いで電場反転ゲル電気泳動(FIGE)により分析した(図1D)。それらは310 kbの産物(Mgen25-77)へ効率的にアセンブルされた。さらに、4つの4分の1分子全てを同じ条件の下で反応させた場合、完全長の合成M.ゲニタリウムゲノム(およそ583 kb)がアセンブルされる(図1E)。]
[0173] 結果: 段階2:アセンブルされた分子の修復。Taq polは、連結されたDNA断片の脱アセンブリをもたらしうる鎖置換をしないので、好ましいギャップフィリング酵素である。これは固有の5'エキソヌクレアーゼ活性(またはニックトランスレーション活性)も有し、投入DNAをリン酸化する必要性(DNA核酸連結の必要性)がない。これは、ニックトランスレーション後に5'リン酸化末端が作製されるからである。さらに、この活性は、本来なら最終の連結産物において終わりとなりうる、どの非相補配列(例えば、部分的な制限部位)でも除去する。]
[0174] アセンブルされたDNA分子が成功裏に修復されたことを検証するため、dsDNA産物をホルムアミドの存在下において94℃で変性させ、アガロースゲル電気泳動によって分析することができる(図2A)。40 bpまたは300 bpの重複を有するおよそ5〜6kbのDNA分子の2対で修復を評価した。いずれの場合にも、類似の結果が得られた(図2B)。アセンブルされたが、修復されなかったDNA分子(レーン1)は、ホルムアミドの存在下においてssDNA投入物に変性される(レーン2)。Taq ligの非存在下では、ニックが封着されず、Taq polの5'エキソヌクレアーゼ活性が重複DNA配列を取り除き、DNA分子の脱アセンブリをもたらす(レーン3および4を比較されたい)。Taq ligの存在下(レーン5)では、ニックが封着され、より高分子量のssDNA産物が認められる(レーン6)。すなわち、たった40 bpの重複しか持たないdsDNA分子がこのアセンブリ方法によって共有結合的に連結された。]
[0175] DNAアセンブリ中の誤りの導入。インビトロでの組換え中に、アセンブルされたDNAにおいて突然変異が導入されうる。突然変異の一次供給者はTaq pol由来であり、これは間違ったヌクレオチドを4000 ntにおよそ1つ取り込む。突然変異の二次供給者は、細菌人工染色体(BAC)をPCR増幅するために用いられるプライマー由来である。M.ゲニタリウムゲノムの合成中にアセンブルされた分子30個をクローニングし配列決定したところ、これらの誤りのタイプのどちらも認められた。しかしながら、修復された接合部210個のうち、BACPCRから生じた可能性が高い誤りは1つしかなかった。著しいことには、Taq polによる不正確なギャップフィルインに起因しうる誤りは3つしかなかった。]
权利要求:

請求項1
連結される隣接DNA分子がそれらの末端に重複配列を含む、2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子のセットを連結するインビトロでの方法であって、一段階反応で第1のアセンブルされたdsDNA分子を形成させるよう2つまたはそれ以上のDNA分子を連結するために有効な条件の下で、(a) 3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く単離された非耐熱性5'→3'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤(crowding agent)、(c) 3'エキソヌクレアーゼ活性を有する単離された耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼ、または該DNAポリメラーゼと、3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く第2のDNAポリメラーゼとの混合物、(d) 単離された耐熱性リガーゼ、(e) dNTPの混合物、および(f) 適当な緩衝液を有する単一の容器中にて、2つまたはそれ以上のDNA分子をインビトロで接触させる段階を含む、前記方法。
請求項2
(a)のエキソヌクレアーゼがT5エキソヌクレアーゼであり、かつ接触させる段階が等温条件下である、請求項1記載の方法。
請求項3
(b)の密集剤がPEGであり、および/または(c)の非鎖置換DNAポリメラーゼがPhusion(商標) DNAポリメラーゼもしくはVENT(登録商標) DNAポリメラーゼであり、および/または(d)のリガーゼがTaqリガーゼである、請求項1記載の方法。
請求項4
前記条件が、連結反応後の、任意の対になっていない、非相同性の、一本鎖DNAを消化するのにも適している、請求項1記載の方法。
請求項5
連結されるDNA分子の少なくとも一部が、一端に、関心対象のDNA分子のいずれかに非相同性である配列を含む、請求項4記載の方法。
請求項6
非相同配列が、PCRプライマーのための1つもしくは複数の結合領域、および/またはベクター配列と相同性の領域、および/または1つもしくは複数の制限酵素に対する認識部位を含む、請求項5記載の方法。
請求項7
第2のアセンブルされたDNA分子を得るために2つまたはそれ以上のDNA分子の第2のセットを別のセットに連結させるように方法を繰り返す段階、次いで第3のアセンブルされたdsDNA分子を得るために第1および第2のアセンブルされたDNA分子を連結させる段階をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
請求項8
2つまたはそれ以上のDNA分子が、適当な緩衝溶液およびdNTPの存在下においてキットに加えられて、等温条件の下でインキュベートされる場合に、2つまたはそれ以上のDNA分子が協奏反応でアセンブルされるような量で、(a) 3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く単離された非耐熱性5'→3'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤、(c) 3'エキソヌクレアーゼ活性を有する単離された耐熱性の非鎖置換DNAポリメラーゼ、または該DNAポリメラーゼと、3'エキソヌクレアーゼ活性を欠く第2のDNAポリメラーゼとの混合物、(d) 単離された耐熱性リガーゼを単一の容器中に含む、2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子のセットを連結する一段階のインビトロでの反応のためのキットであって、連結される隣接DNA分子がそれらの末端に重複配列を含む、キット。
請求項9
(a) T5エキソヌクレアーゼ、(b) PEG、(c) Phusion(商標)DNAポリメラーゼ、および(d) Taqリガーゼを含む、請求項8記載のキット。
請求項10
核酸分子全体の特性を改変する方法であって、(a) 前記核酸分子全体の核酸配列をその長さにしたがって多数の部分に提示的に分割し、それによって部分的な核酸分子の配列を特定する段階;(b) 前記部分的な核酸分子の少なくとも3つに対し、各部分的な核酸分子の多数の変種を提供する段階;(c) 変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに前記変種をインビトロで組み合わせ的にアセンブルする段階であって、部分的な核酸分子またはその変種がそれらの末端に重複配列を含み、それによって混合物中での部分的な核酸分子およびその変種のアセンブリが核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらす、段階; ならびに(d) 核酸分子全体の変種を発現させて該核酸分子全体の該変種の任意の改変された特性について判定する段階を含み、段階(c)のアセンブルする段階が請求項1記載の方法により行われる、前記方法。
請求項11
連結される隣接DNA分子がそれらの末端に重複配列を含む、2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子のセットを連結するインビトロでの方法であって、一段階の熱サイクル反応で第1のアセンブルされたdsDNA分子を形成させるよう2つまたはそれ以上のDNA分子を連結するために有効な条件の下で、(a) dNTPの存在下において活性な単離された非耐熱性3'→5'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤、(c) 単離された、熱で活性化されるDNAポリメラーゼ、(d) 単離された耐熱性リガーゼ、(e) dNTPの混合物、および(f) 適当な緩衝液を有する単一の容器中にて、2つまたはそれ以上のDNA分子をインビトロで接触させる段階を含む、前記方法。
請求項12
(a)のエキソヌクレアーゼがエキソヌクレアーゼIIIである、請求項11記載の方法。
請求項13
(c)のポリメラーゼが熱感受性の様式でポリメラーゼと結合している不活性化部分の除去によって熱活性化される、請求項11記載の方法。
請求項14
(b)の密集剤がPEGであり、および/または(c)のDNAポリメラーゼがAMPLITAQ GOLD(登録商標)であり、および/または(d)のリガーゼがTaqリガーゼである、請求項11記載の方法。
請求項15
第2のアセンブルされたDNA分子を得るために2つまたはそれ以上のDNA分子の第2のセットを別のセットに連結させるように方法を繰り返す段階、次いで第3のアセンブルされたdsDNA分子を得るために第1および第2のアセンブルされたDNA分子を連結させる段階をさらに含む、請求項11〜14のいずれか一項記載の方法。
請求項16
2つまたはそれ以上のDNA分子が、適当な緩衝溶液およびdNTPの存在下においてキットに加えられて、熱サイクル条件の下でインキュベートされる場合に、2つまたはそれ以上のDNA分子が協奏反応でアセンブルされるような量で、(a) dNTPの存在下において活性な単離された非耐熱性3'→5'エキソヌクレアーゼ、(b)密集剤、(c) 単離された、熱で活性化されるDNAポリメラーゼ、(d) 単離された耐熱性リガーゼ、(e) dNTPの混合物、および(f) 適当な緩衝液を単一の容器中に含む、2つまたはそれ以上の二本鎖(ds)または一本鎖(ss) DNA分子のセットを連結する一段階のインビトロでの反応のためのキットであって、連結される隣接DNA分子がそれらの末端に重複配列を含む、キット。
請求項17
(a)エキソヌクレアーゼIII、(b) PEG、(c)AMPLITAQ GOLD(登録商標)DNAポリメラーゼ、および(d) Taqリガーゼを含む、請求項16記載のキット。
請求項18
核酸分子全体の特性を改変する方法であって、(a) 前記核酸分子全体の核酸配列をその長さにしたがって多数の部分に提示的に分割し、それによって部分的な核酸分子の配列を特定する段階;(b) 前記部分的な核酸分子の少なくとも3つに対し、各部分的な核酸分子の多数の変種を提供する段階;(c) 変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに前記変種をインビトロで組み合わせ的にアセンブルする段階であって、部分的な核酸分子またはその変種がそれらの末端に重複配列を含み、それによって混合物中での部分的な核酸分子およびその変種のアセンブリが核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらす、段階; ならびに(d) 核酸分子全体の変種を発現させて該核酸分子全体の該変種の任意の改変された特性について判定する段階を含み、段階(c)のアセンブルする段階が請求項11記載の方法により行われる、前記方法。
請求項19
核酸分子全体の特性を改変する方法であって、(a) 前記核酸分子全体の核酸配列をその長さにしたがって少なくとも5つの部分に提示的に分割し、それによって部分的な核酸分子の配列を特定する段階;(b) 前記部分的な核酸分子の少なくとも3つに対し、部分的な核酸分子の多数の変種を提供する段階;(c) 変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに前記変種をインビトロで組み合わせ的にアセンブルする段階であって、部分的な核酸分子またはその変種がそれらの末端に重複配列を含み、それによって混合物中での部分的な核酸分子およびその変種のアセンブリが核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらす、段階; ならびに(d) 核酸分子全体の変種を発現させて該核酸分子全体の変種の任意の改変された特性について判定する段階を含む、前記方法。
請求項20
部分的な核酸分子の変種が、部分的な核酸分子によってコードされる1つもしくは複数のアミノ酸に対するコドンの縮重形態を提供する; または部分的な核酸分子の変種が、核酸分子全体の転写もしくは翻訳に影響を及ぼす多数の核酸制御配列を提供する; または部分的な核酸分子の変種が、核酸分子全体によってコードされるペプチドもしくはタンパク質のドメインもしくはモチーフをコードする多数の領域を提供する; または前記部分的な核酸分子によってコードされるペプチドもしくはタンパク質が、代謝経路において一緒に機能する、請求項19記載の方法。
請求項21
核酸分子全体の特性を改変する方法であって、(a) 前記核酸分子全体の核酸配列をその長さにしたがって多数の部分に提示的に分割し、それによって部分的な核酸分子の配列を特定する段階;(b) 前記部分的な核酸分子の少なくとも3つに対し、部分的な核酸分子の多数の変種を提供する段階;(c) 変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに前記変種をインビトロで組み合わせ的にアセンブルする段階であって、部分的な核酸分子またはその変種がそれらの末端に重複配列を含み、それによって混合物中での部分的な核酸分子およびその変種のアセンブリが核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらす、段階; ならびに(d) 核酸分子全体の変種を発現させて該核酸分子全体の変種の任意の改変された特性について判定する段階を含み、部分的な核酸分子の変種が、部分的な核酸分子によってコードされる1つもしくは複数のアミノ酸に対するコドンの縮重形態を提供する; または部分的な核酸分子の変種が、核酸分子全体の転写もしくは翻訳に影響を及ぼす多数の核酸制御配列を提供する; または部分的な核酸分子の変種が、核酸分子全体によってコードされるペプチドもしくはタンパク質のドメインもしくはモチーフをコードする多数の領域を提供する; または前記部分的な核酸分子によってコードされるペプチドもしくはタンパク質が、代謝経路において一緒に機能する、前記方法。
請求項22
段階(c)におけるアセンブリが(1)核酸分子全体の多数の変種のアセンブリをもたらすように変種および変えられていない部分的な核酸分子を連結するために有効な条件の下で、(a) 変えられていない任意の部分的な核酸分子とともに変種を、非プロセッシブ(non-processive)5'エキソヌクレアーゼと接触させる段階; および(b)核酸アニーリングを加速する一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)と接触させる段階; および(c) 非鎖置換DNAポリメラーゼと接触させる段階; および(d)リガーゼと接触させる段階を含む方法により; または(2)インビボでのアセンブリにより行われる、請求項19、20または21記載の方法。
請求項23
インビトロでのまたはインビボでの前記方法によって調製された2つまたはそれ以上の核酸分子全体をアセンブルする段階をさらに含む、請求項19〜21のいずれか一項記載の方法。
請求項24
請求項10または18〜21のいずれか一項記載の方法によって調製された変種DNA分子のライブラリ。
請求項25
請求項10または18〜21のいずれか一項記載の方法によって調製された改変DNA分子。
請求項26
少なくとも1つの最適化されたコドン; および/または少なくとも1つの最適化された制御配列; および/または最適化されたタンパク質をコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列; および/または最適化された経路をコードする少なくとも1つの配列を含む、請求項25記載の改変DNA。
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